国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が事前来日を断念し、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて2021年7月中旬に来日する予定だと発表されました。
海外メディアによると、日本での新型コロナウイルス感染状況を懸念して、当初予定していた「6月来日」は「off the table」(検討から外れた)とか。「東京五輪は実行段階に入っている」(バッハ会長)との強気発言と相反するような来日延期。刻一刻と開催日が近づくなか、米誌は五輪開催を危険視する記事を掲載しました。
バッハ会長「事前来日断念」に「東京は安全じゃないのか?」
IOCのトーマス・バッハ会長は、今夏の東京オリンピック(五輪)に向けて準備期間での来日を断念し、五輪開催直前の7月中旬に来日する意向だと海外メディアが報じました。
Bach not planning pre-Olympics visit to Tokyo
(バッハ会長はオリンピック準備のために東京に行かない:五輪関連情報サイト)
記事では、「6月のIOC会長来日が検討されていた」ものの、今回、「now firmly off the table」(完全に検討から外れた)と報じています。
ところがバッハ会長は、6月の訪日は断念したものの、東京五輪については次のような強気な発言をしているようです。
We are in a "full delivery phase" of the Tokyo Olympics
(東京五輪は完全に実施段階に入っている)
Delivery phase(デリバリーフェーズ)は、コンサルタント用語で「実行段階」とか「実施段階」といった意味だそうですが、バッハ会長は「調査・検討期間を終えて、最終的な実行段階に入っている」と強調したかったのでしょう。
東京五輪については、大スポンサーの米テレビNBCが「予定どおり放映する」と表明するなど、開催に向けた動きが強まっていますが、果たして、責任者であるIOC幹部の「事前来日断念」はどんなメッセージを発するのか。
バッハ会長は、「日本での隔離期間を考慮すると、何度も出入国を繰り返すのは効率的ではない」と、その理由を述べていますが、これから東京を目指すアスリートや関係者たちにとっては「バッハ会長が事前来日できないほど、東京は危険な状態なのか?」と映るのではないでしょうか? 不安材料になりかねないような気がします。