日本はなぜトップから転落したのか? 統計データが示した「キツイ」現実

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年収300万円未満の男性は、交際経験なしが33.6%

   「格差社会」の著者だけあって、経済以外の生活の分野でも、しっかり目配りしている。その一つが「結婚格差」だ。

   「年収300万円未満の男性は、交際経験なしが33.6%」という項目がある。「年収別にみた30代男女の婚姻・交際状況」というデータが興味深いことを示している。出所は内閣府「平成22年度結婚・家族形成に関する調査報告書」だ。

   男性の年収300万円未満では、既婚者は10%を切る。さらに恋人なしが38.8%、女性との交際経験なしが33.6%と高い比率を占めている。「年収が300万円未満の男性は、70%ほどが女性と縁のない人生を送っているという悲惨な状況にいる」と書いている。

   年収が増えると、既婚者の比率も高くなる。600万円以上になると既婚者は40%弱に達する。

   一方、女性では既婚者の割合が一番多いのが300万円未満の人で、年収による差はあまりない。「男性と異なって300万円未満の女性でも結婚できるのは、夫の稼ぎが多ければ結婚できるか、本人がパートなどで働く可能性もあることを暗示している」と見ている。

   むしろ、600万円以上の高所得者は既婚者が16%と、かなり低いことに注目している。「自分の稼ぎだけで十分生活できるので、結婚しなくともよいのか、一方で、恋人ありが40%近くもいる。自由な恋愛生活を楽しんでいる『独身貴族』の女性である、としておこうか」と書いている。

   さらに、結婚している共稼ぎ夫婦でも、夫の年間所得が300万円未満であれば、妻も200万円未満というのが70%を占めているので、夫婦ともに低い所得の組み合わせが多いという。

   これとは逆に、夫婦ともに高所得の夫婦も存在し、「パワーカップル」と名付けている。「似た者夫婦の所得版」と書いている。

   メディアやドラマで、「湾岸のタワーマンション」に住み、子供の「お受験」に奔走する夫婦が取り上げられることがあるが、それは一部の「パワーカップル」の現象に過ぎない。

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