読者にじっくり読ませようなんて愚の骨頂。サクっと簡単に読ませよう!【尾藤克之のオススメ】

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読者に「これは自分のことだ」と思わせる

   「じっくりと読まない相手」をどう惹きつけるか? 一つは「あるあるネタ」を入れて、「これは自分のことだ」と思わせること。さらに「読者が考えている」ことを裏切ること。たったこの二つを意識するだけで、読者に「えっ!?」と思わせ、最後まで文章を読ませることができます。

   この記事の抜粋は就活時期に載せたものです。就活生と企業の採用担当者が読者になります。大きな反響があったのですが、理由はおわかりになりますか?

《エントリーシートに書くべきこと、書かなくていいこと》
   多くの学生にとって自己分析は新鮮に映ります。しかし「企業の採用と学生の就活」の双方に携わった経験から申し上げるなら、学生が自己分析することに力を注いでも、就活ではほとんど意味がありません。
   それどころか「自己分析で見つけた強み」という思い込みは、誇大妄想になりかねません。誰もが実績として認めて数値化できるようなものでない限り、自己分析が他者と一線を画するほどのオリジナリティにあふれていることはまずないからです。

   ここでは「学生にとって自己分析が新鮮であること」、しかしどんなに力を注いでも、「就活では意味がない」と突き放します。自己分析にどっぷりハマった学生からしたら、わずか2行で、奈落の底に落とされた気分になるのではないでしょうか。

   このように、いかに読者の興味を惹き、わかりやすく簡潔に文章をまとめられるかが大切です。現代人はみんな忙しいので、じっくり文章を読ませようとしないことです。大半は斜め読みで、必要ない部分は容赦なく飛ばし読みされることを踏まえておかなければいけません。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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