閑古鳥鳴く自衛隊接種会場「全国から来て」に怒りの声 「GoToワクチンで感染を広げる気か!」(1)

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広島県知事「こんなに低調とは。正直驚いている」

   いったい、どのような閑古鳥状態なのか。

   テレビ朝日(6月9日付)「なぜ? 大規模接種会場がガラガラ、予約が埋まらず」が、こう伝える。

「2日連続となった真夏日のなか、東京・大手町では9日も自衛隊運営によるワクチンの大規模接種が行われました。しかし、東京会場と大阪会場の予約に異変が生じています。東京では来週が約76%、再来週では93%以上の予約枠が残り、大阪でも再来週の予約枠が94%以上埋まっていません。出足が鈍ってきたのは東京や大阪だけではありません。6月7日から大規模接種が始まった広島県福山市の会場。目立つのはずらりと並んだ空席。この会場では1日最大1800人が接種できますが、初日はわずか89人。想定の約5%でした」

   閑古鳥が鳴いているのは、自衛隊の大規模接種センターだけでなく、全国各地の大規模センターも同様なのだ。その広島県の福山市の例はこうだ。地元放送局の広島ホームテレビ(6月8日付)「広島県大規模接種スタート 会場はガラガラ 福山市」が、こう伝える――。

   《高橋勇介記者「きょうから始まった福山市の大規模接種会場。こちらは待合スペースですが、空席が目立ちます」

   福山市に住む83歳の森本さんは家族に連れられ会場を訪れました。かかりつけ医では来月末の接種となるため大規模接種会場を利用しました。

ワクチンを接種した森本さん「打ってもらわないと夏は越せない。これを打つためにどれだけ気を使ってね(過ごしたか)。ホッとしました」

   会場では1日最大1800人が接種できますが、初日に予約した高齢者は89人のみ。想定のわずか5%。県は福山駅と会場をバスで結びますが、午前中の利用者はたった1人。この状況に湯崎知事は。

広島県の湯崎英彦知事「正直驚いている。みなさん、打ちたいんじゃないかと思っていたので、こんなに低調なのはまったくの予想外。予約を余らせないように対応していきたい」

   広島県では9日以降は、対象地域に府中市を加えるなど対応に追われています。》

   広島県によると、米モデルナ製ワクチンを使うが、医師10人、看護師25人を含む計125人を接種会場に待機していたのだった。その人々より、来場者が少なかったのだからショックだろう。ただし、地元メディアによると、福山市では80歳以上にしか接種券を配っておらず、80歳以上の人が行くには福山駅から遠い所に会場があった。そのことを広島県が知らなかったという連携ミスも響いているようだ。

   長野市でも予約枠が埋まらなかった。NHK(6月4日付)「大規模接種予約枠埋まらず 一部の日程定員を縮小 長野市」によると、長野市は長野五輪の会場となった「ビッグハット」と「エムウェーブ」で6月5日から大規模接種を行う予定だった。ところが、予約枠がほとんど埋まらない日があり、定員を半分に縮小した。それでも予約は2割ほどにとどまったという。NHKはその理由をこう伝える。

「原因について、長野市はワクチン接種の希望者を実態より多く見積もった可能性があるとしています。このため市ではワクチンを無駄にしないため、高齢者と障害者の入所施設、それに救護施設で働く人たちの接種も進めることを決め、市内およそ370の施設に接種を呼びかける通知を出しました」

   つまり、ワクチンを打ちたくないという人が予想以上に多かったということだ。

(福田和郎)

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