電話口で「俺が死んだらお前が責任を取るのか!」
大阪市が開いた大規模接種会場でもガラ空き状態が目立った。朝日新聞(6月5日付)「ワクチン大規模接種の予約に『空き』 やっぱり電話」がこう伝える。
「『やっぱり電話なのだなと改めて感じている。65歳以上の高齢者は、ITでの予約は不慣れな方が多い』。6月4日、大阪市の松井一郎市長は記者団にそう語った。大阪市は『インテックス大阪』(住之江区)で、65歳以上を対象に1万6200人分の枠を設け、1日にインターネットで受け付けを開始。しかし、1日は25%、翌2日も45%の予約にとどまった。3日から電話での受け付けも追加すると、すぐに枠が埋まった。『電話をスタートさせた瞬間に、一挙に予約数が増えた』(松井氏)という」
やっぱり予約には電話が必要だというわけだが、コールセンターの人々が、暴言を浴び続けて心が折れるケースが続出している。テレビ朝日(6月7日)「〈接種予約〉コールセンターで疲弊『人間扱いは...』」がこう伝える。
「ワクチン接種の予約を受け付けるコールセンターでは、理不尽な怒りをぶつけられ、対応するオペレーターの疲弊が深まっています。都内の予約担当オペレーターは『接種した後に気分が悪くなったらどうしてくれるんだ!もし死んだら、お前が責任取るのか!』と30分くらい言われて...。『それは分かりかねます』と答えたら、『馬鹿と話す気はないから、上の者と代われ!』って...」
1日何十人かは「悲鳴と怒号」だという。なかなか電話がつながらないことにイラ立ち、やっとつながった電話の相手に自治体の対応の不平不満をぶつけるのだ。一番つらかった訴えは、基礎疾患があるにもかかわらず、高齢者にしかまだ接種券が配られないことから、
「私が死んだらどうしてくれるのよ!」
と、不安でたまらない声を上げ続ける女性だった。