揺れるビットコイン相場に同志社大と明大は動かず 職業大が滑り出し好調(第2節)【暗号通貨バトル Aグループ】

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   職業大学校のさっちんが、スタートダッシュを決めた。ビットコインに投資して2週連続のプラス。一方、同志社大学のしがないトレーダーさんが注目するのは、米テスラのCEO(最高経営責任者)、イーロン・マスク氏の動向。ビットコインの4万ドル超えを阻む、影響力の大きいツイートが気になるところ。

   「ひっそりとした値動きの1週間」で、こんな時こそ分析に力を注ぐという明治大学の城正人さん。今週も取引は見送ったが、来週の投資に向けて選んだ暗号通貨は......。

  • 職業大学校が好調な滑り出しを決めた!
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相場閑散期こそチャンス! 選んだ暗号通貨は......(明治大学 城正人さん)

   今週(2021年5月31日)は特に大きなニュースもなく、ひっそりとした値動きの1週間でした。あまりボラティリティも高くなく、取引を繰り返しても手数料負けするリスクが高いと感じたため、今週も取引は行いませんでした。

   しかし、相場があまり動かないからこそ、分析を行ういいチャンスです。

◆ 分散台帳技術のトリレンマ
   ビットコインをはじめとした暗号通貨の持つ技術の一つに、「分散台帳技術(DLT)」があります。分散台帳技術とは、たくさんの人が同じ台帳(帳簿)を持ち合うことで、たとえ一つの帳簿が書き換えられてしまったとしても、それを指摘し合うことができるという技術です。暗号通貨の場合、インターネットを利用して世界中に帳簿が分散していますから、改ざんすることが極めて難しいというわけです。
   この分散台帳技術には、「トリレンマ」があります。この事象についてはブロックチェーンのトリレンマとも呼ばれます。トリレンマとは、3つの条件のうち2つしか選ぶことができず、1つは諦めざるをえない状況をさします。Aの条件を選べばBの条件が成り立たなくなるジレンマに要素が一つ加わったものです。
分散台帳技術のトリレンマは、分権化、拡張性、セキュリティの3つです。

図1 分散台帳技術のトリレンマ(筆者作成)
図1 分散台帳技術のトリレンマ(筆者作成)

   それでは、一つひとつの特性について解説していきます。

▶ 分権化
~メリット~
完全な非中央集権システムでは中央管理者が存在せず、内部不正は発生しない。悪意あるものが攻撃を仕掛けてきたとしてもシステムを破壊するのが困難である。また、物理的に運営者が世界中に散らばっていることで、災害などに対する耐性も高まります。
~デメリット~
非中央集権のシステムでは台帳に書き込んだ内容が正しいかどうかの検証を行う必要がある。この作業を行う際に多くの電力などの資源を使用することがある。
検証の作業を行うためブロック生成速度にも限界がある。

▶ 拡張可能性
~メリット~
ネットワークの処理速度向上、処理できるデータ量の増加、それに伴い更なるユースケースの増加が考えられる。
~デメリット~
世界中に分散されている台帳を常に同期させておく必要がある。しかし、処理を高速にしすぎると、高速な通信手段である光ファイバー通信を利用していたとしても、地理的な不公平が生じる恐れがある。また、処理を多くすると高性能な機器が必要となり参加へのハードルが上がる。

▶ セキュリティ
~メリット~
悪意あるものが攻撃を仕掛けてきても簡単には書き換えられない。非中央集権のシステムで唯一価値を保障してくれる手段。
~デメリット~
セキュリティを向上させるとブロック生成速度を落とす必要がある。また、処理可能なデータ量も限界がある。

   これら3つのバランスをちょうど良く兼ね備えている通貨を見つける必要があります。

   今回は投資する通貨を決定するために、時価総額の大きなものを比較してみました。

◆ 通貨ごとの比較
   今回は私の利用している取引所の中でも時価総額が大きな銘柄のビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)について比較してみました。

図2 暗号通貨比較 筆者作成(2021年6月5日時点)
図2 暗号通貨比較 筆者作成(2021年6月5日時点)

   ここでは簡略化するために分権化を〇、×と表現しました。〇と表現したものでも細かく見ていくとマイナーが中国に集中していたり、×と表現したXRPも分権化を進める方向で改善する仕組みを導入していたりします。

◆ まとめ
   今回は分散台帳技術の抱えるトリレンマを確認したいうえで、時価総額の大きな暗号通貨を比較しました。ブロック生成時間についてはETHの15秒が分散性、セキュリティを担保するための妥協点だと考えます。
   1秒あたりの処理回数については通貨ごとに大きく差がありました。BTC、ETHについては今後さらなる決済等の需要増加を考慮すると少々心許ない数値です。しかし、サイドチェーンやLayer2などの技術を利用することで現状の問題点をある程度解決することは可能となっています。
   したがって私の投資判断としては、秒速のトランザクション数は多くないものの、分権化されておりブロック生成速度も高速なETHを購入しようと思います。
   目標とする取得価額は2000ドル~2500ドルです。来週このあたりの水準まで落ちてきたら投資をしたいと考えています。

   ◆児山将のワンポイントアドバイス
今週は、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として承認されるという歴史的な動きがありました。パラグアイやトンガも検討しているようで、こういった動きは週を追うごとに状況が変化するくらいのスピード感となっています。
さて、何秒トランザクションやブロックサイズを見れば、ビットコインよりもビットコインキャッシュやライトコインのほうが便利なのではないかと思いますよね。ただ、店舗決算はゼロ承認のためSuicaなどの電子マネーと変わらない状況です。また、ライトコインやビットコインキャッシュの店舗決済インフラは少なく、時価総額や流動性の面でもどうしてもビットコインに軍配が上がる状況となっています。
ビットコイン・イズ・キングと呼ばれているだけあり、この状況はしばらく続くのではないでしょうか。

前週からの損益   プラス・マイナスゼロ
6月4日現在            1万円

明治大学 城正人(じょう まさと)
明治大学 城正人(じょう まさと)
経営学部2年。明治大学投資サークルBreakouts!に所属。暗号資産が今後の社会に与える影響に魅力を感じ手当たりしだい勉強中。これまで暗号資産のトレード経験はほぼなくETH(イーサリアム)ガチホを続けてきました。ポテンシャル、技術の面を中心にそれぞれの通貨の特徴を見極めて投資していきたいと思います。
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