第2節から本格始動した北海道大学の上田晃史さんと明治大学の佐野快斗さんが共に、初めての取引でプラスを確保。上田さんは「FXの雰囲気つかめた」と話せば、佐野さんは英ポンド円と米ドル円の、複数の通貨に果敢に挑んだ。
慶応義塾大学のトリオネアさんは、前週負けた反省を活かして、今週は英ポンド円で勝負。大きく利益を上げて1週間でプラスに転じた。勝ったり負けたり、試行錯誤を繰り返した専修大学のめがねちゃんが苦戦している。
初めての取引はプラス3700円!(北海道大学 上田晃史さん)
今週(2021年5月31日週)はまず、「100万円のデモ口座をどの会社で開くか」に取り掛かりました。少し前にDMM FXのデモ口座を開いたことがあったため、それを活用しようかと思いましたが、「500万円」だったので断念することに。いろいろ調べていたらGMOクリック証券は自由に金額を設定できるとのこと。それで開くことになりました。
◆ 戦績振り返り 5月31日(月)~6月4日(金)
結果は、6回取引して上表のとおりで、ざっくりまとめると次のような結果でした!!
・通貨は英ポンド円
・なんとか負けなし
・時間軸は基本1分足の短期
・ロング(買い)が5回、ショート(売り)が1回
・平均保有時間は25分(最大:38分、最小:9分)
・最初を除き、1回あたりの取引量は15万通貨
◆ 個別の取引について
やはりスプレッドの大きさを取引するたびに実感しました。人間は利益が出た時よりも損した時のほうが、精神的ダメージが大きいそうで (プロスペクト理論)、15万通貨の取引の場合だと、1500円損した状態で始まるためにかなりハラハラしてしまいます。(笑)
基本的に、売りでも買いでもボリンジャーバンドの2σと3σの間でエントリーすることを心がけていて、どちらかというと順張りで取引しています。またMACD(移動平均収束拡散)では、MACDとMACDシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスが起こる少し前ぐらいに入れたらなぁと欲深く狙っています。
初めての取引は10万通貨で、プラス3700円で終わることができました。上昇トレンドの後、下降トレンドが続いているという状況で、ボリンジャーバンドの2σを突き抜けた&RSIがかなり下がっていたことで(なんとなく)「買い」で入りました。
買った後、まだ2~3分下降トレンドが続きハラハラしましたが、買いに転じたことで売りました。私が売った後もしばらく上昇トレンドは続いていたのですが、損失の怖さから早めに売ってしまいました。なんとなくFXの雰囲気を掴めたトレードでした。ビギナーズラックそのものです。(笑)
6回のトレードの中で、とくに印象に残ったのがプラス600円で終わったトレードです。負けこそしなかったものの、自分を過信しすぎて一時的に含み損が1万円を超えても損切りできず、かなり精神的につらいトレードとなりました。含み益も1万円を超えたのですが、欲が出て利益を確定せずにズルズルいってしまいました。
そうならないためにも、損切りラインはどこか、利益確定はどこか、というシナリオをポジションを持つ前に十分考える必要があると認識させられました。
利益を逃したことも多かったため、来週以降は事前準備を意識してトレードをしていきたいです!
◆ 追記
6月4日21時30分に米国の雇用統計が出ましたが、為替が大きなボラティリティで変動するのを見ることができました。ポジションは取っていなかったものの、非常におもしろくて良い経験となりました!(上の画像はドル円相場)
もし機会があればイベントを予想した取引も行ってみたいです。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
文句のない成績ですね。じり下がりの相場でほぼ買いで利益を収めていることから、短期売買のセンスを感じます。ポンド円の10万~15万通貨ということで、100万円の口座の維持率は200%以下となるため、ややリスクを感じます。ただ、損切りも1%以下に収めているようですので、リスク管理に問題はないかと思います。
英国は経済回復途上であることから、基本的に上昇相場が続くと予想されており、丁寧な順張り買いがセオリーになるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス2万8400円
6月4日現在 102万8400円
大阪府出身。
3日保有した英ポンド、泣く泣く決済するも...(慶應義塾大学 トリオネア)
FX大学対抗戦が始まってから2週目を迎えましたが、今週(5月31日週)は前週と比べると、少しはマシなトレードができたのかな? って思います。ただ、週後半にかけて、相場にコテンパンにしばかれかけたので、冷や汗かきまくりでした。(笑)
今週のトレードとしては、先週の反省を活かして、直近だけでの判断でのトレードは極力抑えました。基本的に、僕はレジサポ(レジスタンスライン=抵抗線=とサポートライン=支持線=がチャート内に同じ水準でできること)や高値安値の意識、トレンドラインでの判断でトレードを行うんですが、今週はポンド円でうまくレジサポが機能してくれたのでやりやすい感じの流れでした!
5月31日(月)
月曜日に開場してから相場の流れを観察すると、先週の上げ方から今週は下げてきてから上げやすいなという大体のイメージが出来たので、今週1発目は図1の水色のトレンドラインをずらしたとこまで引き付けてからロング(買い)で、1ポンド=155.447円でエントリーしたが、上げが弱かったので1ポンド=155.519円で微益撤退した。その後、深夜に見たらライン際からまた上げ始めていたので、1ポンド=155.600円でロング(買い)エントリーした。
6月1日(火)
昨日のポジションが良い感じに伸びてきてくれており、目標である直近高値まで来るのを期待していたが、夕方の2度目の直近高値付近で上げが停滞したため、半分を利益確定して様子を見ることにした。
その後、ポンド円は再び水色ラインまで落ちてきたため5万通貨で再度ロング(買い)エントリーしたが、反発が弱くすぐに建値に戻ってきたため前のポジション含めて1ポンド=155.409円で損切りした。
ここからは緑ラインまでは下げてくる可能性が高いと感じていたため、売りのチャンスを捜していたら指標前に少し上げてきてくれていたため、水色ラインを背にショート(売り)エントリーした。
その後は睡魔に負けそうになったので、緑ラインより上の1ポンド=154.900円に利益確定とドテン(保有しているポジションを決済して、反対のポジション建てにすること)ロング(買い)の指値を入れて床に就きました。
6月4日(金)
火曜日の深夜に入れたポジションと、3日に入れた追加ポジションの狙いは今週の高値更新だったのですが、金曜のこの下げを見て目線が間違っている可能性が高くなったので3日持ち続けたポジションを泣く泣く微益撤退させました。(泣)
来週は一たん目線はフラットに戻して、チャンスがあれば入っていきたいと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
安定性を持たせるためのポジション分割に機動的なドテンロングを行うなど、売買テクニックをいかんなく発揮して5%のプラスと大きくリードしました。ポンド円は主要通貨ペアの中で値動きが激しいと言われていますから、レジスタンス、サポートラインなどの節目を意識しながら、入口と出口を決めておかないといけません。なんとなく、エントリーしてしまい、ダラダラと逆方向に進めば損切りし損ねてしまう可能性が高くなってしまいます。
トリオネアさんは、非常にメリハリの利いた淡々としたトレードができるようですから、ポンド円との相性が良さそうですね。このままリードを続けることを期待しています。
前週からの損益 プラス5万4455円
6月4日現在 105万2155円
英ポンドと米ドルでプラス確保(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週のトレード
今週(2021年5月31日)は、6月1日に米国ISM製造業景気指数、4日に米国雇用統計の発表があり、ZM(Zoomビデオコミュニケーションズ)など有名企業の決算が相次いだので、ドル円に注目してトレードの機会を待っていました。
1日にはオーストラリアのRBA(豪準備銀行=中央銀行)政策金利発表もありましたが、バイトの時間と重なってしまったため、追うことはできませんでした。
今週はポンド円を2回、ドル円を1回トレードしました。
【ポンド円】
5月27日から28日にかけて2円近く上がっていた英ポンド円の調整を待っていました。1ポンド=156.070円まで上がりきったのち、5月31日に下がり方が大きくなったため、31日夜にショート(売り)で5lot(1000通貨単位×5)エントリーしたものの、日付が変わるあたりで一たん戻し、損切りしました。マイナス5000円。
しかしながら、引いていた上値のレジスタンスライン(抵抗線)に再びタッチし、155.600円で指値ショートエントリー。155.400円でハネると考え、利益を確定しました。プラス1万円。
ただ、後から見てみると、5月28日から6月1日にかけての短期的でゆるやかな下げトレンドの抵抗線を考えると、1ポンド=154.800円、そこまで行かなくても節目として155.000円まで利益確定を待っても良かったかと思います。
それから、長期の移動平均線(青)と中期(緑)、短期(オレンジ)がクロスする点を待ってからのエントリーのほうがより自信をもってエントリーできたかもしれません。
【ドル円】
ドル円は6月4日日本時間22時からの雇用統計を待ち、その後の調整を狙おうと考えていました。もちろん、事前にポジションを取ることも考えましたが、どのように動くかをしっかり見てから、損をできるだけしないように立ち回りました。
6月4日までには0.4円ほど上げていましたが、雇用統計を織り込んでいたようで、発表の時間には下げはじめていました。しかし、以前引いていたトレンドラインを割らないと自信が持てなかったため、それまで待ち、ストリーミングで注文、20pipsとれた時点で指値決済しました。プラス4000円。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
アクティブなトレードを行う人が多いなか、リスクを抑えた取引の佐野さん。堅実な取引が目を引きます。さて、投資家の焦点はアメリカのテーパリング開始時期となっています。当初は、未だに失業保険の受給者が1000万人ほどおり、経済回復の確たる見通しがなく、まだまだ金融緩和の継続を求める声が多い状態でした。
しかし、コロナ禍前の社会に近しい状態になり、物価が本格的に上昇してきてくると、テーパリングも止むなしという心理状態になってきているように思えます。10日に発表されたインフレ指標は事前予想を上回りましたが、株価は若干の上昇という反応を見せました。既定路線は、9月に本格的に議論し、12月に1月から月100億ドルのテーパリングの開始というところでしょうか。FRB要人がこれ以上早い時期を示唆すると、相場は反応しやすいという考え方ができそうです。
前週からの損益 プラス9000円
6月4日現在 100万9000円
勝ったり負けたり......(専修大学 めがねちゃん)
こんにちは、めがねちゃんです! 先週の(1)チャートを見る時間が少なかったこと(2)根拠が薄いのにエントリーしたことの、2つの反省を踏まえて、今週はチャートを見ることと、すぐ身につくものではないので自分が自信を持てるまで、試行錯誤することを目標にしました。
今週はテクニカル的な要素も見つつトレードしました。EUR/JPY(ユーロ円)をロング(買い)、AUD/JPY(オーストラリアドル円)をロング(買い)、NZD/JPY(ニュージーランドドル円)をショート(売り)、CAD/JPY(カナダドル円)をロング(買い)しました。先週よりもトレード回数が多めですね。
EUR/JPY(ユーロ円)をロング(買い)したのは、4時間足見て上昇すると思ったからです。しかし、日足で大きく上昇している途中の戻りなどを考慮するのを忘れていました。FXは上位足のトレンドが優位といいますが、実際に取引する際に忘れていました。マイナス33.6pips/マイナス1万6860円。
AUD/JPY(豪ドル円)をロング(買い)したのは、上目線っぽいと思いましたがレンジだったので、損切り浅くしてチャネルの上限いったらいいなと思ってエントリーしました。結局損切するのが遅れてしまって損失を出してしまいました。マイナス41.9pips/マイナス2万945円。
NZD/JPY(NZドル円)をショート(売り)したのは、4時間足のレジサポ(レジスタンスライン=抵抗線=とサポートライン=支持線=がチャート内に同じ水準でできること)ラインを抜けたからです。
チャートを見ていて、若干上目線っぽいけど強いトレンドというわけではなさそうだったので戻り売り作戦でいきました。プラス43.7pips/プラス2万1815円。
CAD/JPY(カナダドル円)をロング(買い)したのは、4時間足で見たときに高値で止まっていて、日足で見たときにかなり一直線に上がっていたので、跳ね上がったらいいなと思ってエントリーしました。
ただ、根拠が薄かったので損切は浅くするつもりでした。(マイナス2.6pips/マイナス1275円)
上位足を見たり通貨強弱を見たり、頭を使うことがとても多いですが、きちんといろんなことを見ていきたいです。また、使っているデモ口座が損切注文できなかったりログインできなかったり、損切りがずれて思ったよりも損失が出ているので、来週はストップかけておこうと思います。
来週は通貨強弱に重点を置いてトレードしていきたいと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
自身に合った通貨ペアを探しながらテクニカルを中心に分析しトレードしているようですね。コメントを見ていると、逆張りに強いという印象も持ちます。
自身の取引において、通貨ペア、売り買いの方向、逆張りと順張り、そして、時間帯別に勝率を出してみて、自身のエッジのある取引を見つけてみてはいかがでしょうか。
取引ツールを使い慣れていない感じもしますので、まずは基本的な操作を抑えておいて不要な損失を限定してみましょう。
前週からの損益 マイナス1万7265円
6月4日現在 98万2435円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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