英ポンドと米ドルでプラス確保(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週のトレード
今週(2021年5月31日)は、6月1日に米国ISM製造業景気指数、4日に米国雇用統計の発表があり、ZM(Zoomビデオコミュニケーションズ)など有名企業の決算が相次いだので、ドル円に注目してトレードの機会を待っていました。
1日にはオーストラリアのRBA(豪準備銀行=中央銀行)政策金利発表もありましたが、バイトの時間と重なってしまったため、追うことはできませんでした。
今週はポンド円を2回、ドル円を1回トレードしました。
【ポンド円】
5月27日から28日にかけて2円近く上がっていた英ポンド円の調整を待っていました。1ポンド=156.070円まで上がりきったのち、5月31日に下がり方が大きくなったため、31日夜にショート(売り)で5lot(1000通貨単位×5)エントリーしたものの、日付が変わるあたりで一たん戻し、損切りしました。マイナス5000円。
しかしながら、引いていた上値のレジスタンスライン(抵抗線)に再びタッチし、155.600円で指値ショートエントリー。155.400円でハネると考え、利益を確定しました。プラス1万円。
ただ、後から見てみると、5月28日から6月1日にかけての短期的でゆるやかな下げトレンドの抵抗線を考えると、1ポンド=154.800円、そこまで行かなくても節目として155.000円まで利益確定を待っても良かったかと思います。
それから、長期の移動平均線(青)と中期(緑)、短期(オレンジ)がクロスする点を待ってからのエントリーのほうがより自信をもってエントリーできたかもしれません。
【ドル円】
ドル円は6月4日日本時間22時からの雇用統計を待ち、その後の調整を狙おうと考えていました。もちろん、事前にポジションを取ることも考えましたが、どのように動くかをしっかり見てから、損をできるだけしないように立ち回りました。
6月4日までには0.4円ほど上げていましたが、雇用統計を織り込んでいたようで、発表の時間には下げはじめていました。しかし、以前引いていたトレンドラインを割らないと自信が持てなかったため、それまで待ち、ストリーミングで注文、20pipsとれた時点で指値決済しました。プラス4000円。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
アクティブなトレードを行う人が多いなか、リスクを抑えた取引の佐野さん。堅実な取引が目を引きます。さて、投資家の焦点はアメリカのテーパリング開始時期となっています。当初は、未だに失業保険の受給者が1000万人ほどおり、経済回復の確たる見通しがなく、まだまだ金融緩和の継続を求める声が多い状態でした。
しかし、コロナ禍前の社会に近しい状態になり、物価が本格的に上昇してきてくると、テーパリングも止むなしという心理状態になってきているように思えます。10日に発表されたインフレ指標は事前予想を上回りましたが、株価は若干の上昇という反応を見せました。既定路線は、9月に本格的に議論し、12月に1月から月100億ドルのテーパリングの開始というところでしょうか。FRB要人がこれ以上早い時期を示唆すると、相場は反応しやすいという考え方ができそうです。
前週からの損益 プラス9000円
6月4日現在 100万9000円