東京五輪「観客どんどん入れよう!」 強気の菅首相に経済界も総スカン(2)

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   東京五輪・パラリンピック開催まで残り45日を切った。菅義偉首相と国際オリンピック委員会(IOC)は何が何でも開催を強行する構えだ。

   焦点は無観客か有観客か。有観客ならどのくらい入れるかに移っている。菅義偉首相はできるだけ多く入れたがっている。

   しかし、それは「トンデモなく危険だ」と専門家は指摘するのだが......。

  • 大会の主会場となる新国立競技場
    大会の主会場となる新国立競技場
  • 大会の主会場となる新国立競技場

ワクチン接種が進んでも五輪開催中に緊急事態宣言

   そんななか、ワクチン接種が進んでも、ちょうど東京五輪開催中に「5度目の緊急事態宣言」が避けられないというデータが発表された。毎日新聞(6月9日付)「西浦博氏が分析『高齢者ワクチン7月完了でも宣言解除後に流行』」が、こう伝える。

「高齢者のワクチン接種が7月末で完了しても、緊急事態宣言の解除後に再び重症病床が不足するなど宣言を要する流行は避けられないとする分析結果を、理論疫学が専門の西浦博・京都大教授がまとめた。6月9日の厚生労働省の専門家組織『アドバイザリーボード』に報告された」

   西浦教授は、爆発的に感染が広がった今春の大阪府のデータを調べ、年代ごとの感染の広がり方と重症化率を計算。宣言が6月21日に解除される前提で、東京都にこれらのデータを当てはめ、重症者の増え方を予測した。すると、高齢者の接種率にかかわらず、7月下旬から重症者が急増。8月前半までに宣言が必要なレベルに達した。主な重症者は、未接種やワクチンが効かなかった高齢者や、まだ接種していない壮年~中年の世代だった。

   また、インド型変異株の感染力を、従来株の1.78倍と推計した。7月中旬には国内のウイルスの半数と入れ替わると予想した。実際、厚生労働省によると、インド変異株の東京都内の感染者は6月9日時点で87人、前週より34人も増えた。ハイペースで従来株に置き換わっているのだ。

   西浦氏は、

「東京では人出も増えている。感染者数の減少速度が鈍化する地域もあり、今後リバウンドの可能性が考えられる」

としている。

   結局、高齢者の接種が完了しても、未接種の壮年世代以下の動きが活発化に、変異ウイルスの猛威が加わり、再び感染爆発を引き起こすというわけだ。杉浦氏の試算で怖いのは、東京五輪の人流増加の影響を計算に入れていない点だ。

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