ゼロ金利政策から20年超、日本円はどうなる?
それはともかく、今後の米金融政策ですが、夏頃(ジャクソンホール?)においてテーパリングに関する議論を開始し、2022年初めにテーパリングを開始し、FOMCごとに150億ドル相当の減額を進めると思われます。
そうすれば、現状1200億ドルの資産買い入れを行なっていますが、FOMCは年間8回あるので、1年でちょうど終わることになります。そして2023年後半に利上げということになりそうです。
そのペースは他の中銀に比べて少し遅く感じられます。そうなるとやはり「正常化」で先行する国の通貨が買われることになるのでしょう。
それでは日本はどうなるのか? 日本はゼロ金利政策を始めて20年以上経過していますが、今後も引き締め政策を実施できるだけ景気が回復することは難しいと思われます。各国が金融引き締め局面に入ると、円は弱くなりがちです。前回のアベノミクスも米金融政策が引き締まる局面と重なってはいました。
そうなると、米国以外の経済の強い国から引き締め局面に入り、遅れて米国も引き締めを開始しますが、日本が引き締め局面に入ることはないので、引き締めに先行する国の通貨を買い、円を売ることが良さそうに見えます。
2021年は、カナダ円やポンド円といったクロス円取引のロング(買い)ポジションが輝きそうな1年になるのではないかと考えています。(志摩力男)