このままでは流通株式比率基準に引っかかる?
三菱総研は今回の株式売り出しについて「本邦企業においてコーポレートガバナンス・コード(指針)への取り組みなどから、政策保有株式を見直す動きが進んでおり、このタイミングで株式売り出しを実施することが適切と判断した」としたうえで、「多様な株主を迎えることを通じて当社ガバナンスの一層の強化につなげる」と主張している。
今回の動きの背景には、2022年4月に迫る東証の市場区分再編もあるようだ。東証1部に代わり「プライム」市場が創設されるが、そこに残るには定められた流通株式比率が必要となる。政策保有株は基本的に流通株として認められないため、三菱総研のように株式売り出しに動く会社が出ることも予想される。(ジャーナリスト 済田経夫)