はじめまして。「企業分析バトル カブ大学対抗戦SEASON3」に参加する同志社大学のSYです。同志社大学は、今シーズンから初めての参加になります。まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
さっそくですが、初めての銘柄選びは地元・関西が地盤の「エイチ・ツー・オー・リテイリング」。コロナ禍で百貨店事業は不調ですが、今秋に開業予定の梅田ツインタワーズと、優勝目指して絶好調のプロ野球、セ・リーグの阪神タイガースで業績回復を狙います。
「梅田ツインタワーズ・サウス」で回復目指す
それでは、本題に入っていこう。中国・武漢で発生し、今もなお世界中へと感染が広がっている新型コロナウイルスが市場に与える影響は少なからず存在する。
現在、三回目の緊急事態宣言が発令されており、さらに延長される見通しが立っている。この状況での銘柄選定は非常に難しいものであった。
私は東証一部に上場している「エイチツーオーリテイリング」(8248)の銘柄を選んだ。この企業を知っている人は少ないだろう。この企業は2007年に阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合により誕生し、2014年に食品スーパーの「イズミヤ」と経営統合をしている。主たる事業は、百貨店・食品・不動産などだ。
◆コロナ渦で大幅赤字・財務状況も......
直近5年の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、総資産、純資産、自己資本比率は以下のとおりだ。
まず、2020年、21年は大幅な赤字となっている。コロナ禍での緊急事態宣言による休業要請やインバウンド消費の減少が主な原因だろう。自己資本比率も40%を割り、良い経営状態であるとは言えない。ROA(総資産利益率) はマイナス4.09%、ROE(自己資本利益率)もマイナス10.52%と共に大きなマイナスだ。
だが、PER(株価収益率)は5月26日の始値時点で0.47倍と1倍を下回っているので「割安」と解釈できる。
一方で内食需要の高まりにより、食品スーパー事業に限れば大変好調である。実際に2020年には2503百万円の営業損失だったが、2021年には4170百万円の営業利益を生み出しており、大幅な増益となっている。
今後に期待できる要因は2つ!
梅田の再開発事業の一環で2014年から建設されていた「梅田ツインタワーズ・サウス」の地下2階から地上9階までの百貨店エリアが今秋開業予定だ。またオフィスエリアを含めた全面開業は2022年春を予定している。これは減益の続く百貨店事業にとって大きな追い風になるに違いない。さらに、百貨店事業も徐々にではあるが業績を回復しつつある。2021年4月の売上速報では前年同月比314%とあり、4月末に休業していたにも関わらずかなりの高数値だといえる。
◆阪神タイガースの好調による効果はいかに!?
やはり阪神百貨店と聞けば、阪神タイガースを想像する人が多いだろう。その阪神タイガースは5月26日現在、セ・リーグで圧倒的な首位を維持している。この好調は株価にも良い効果を及ぼすと考えられる。
そのことを裏付ける事例があるので紹介する。
過去、阪神タイガースが優勝した2003年、05年を見ると、当時、阪神電気鉄道の子会社だった阪神百貨店は、2004年5月発表の決算で前年比41.1%の増益、06年5月の決算で前年比79.8%の増益と驚異的な増益をした。2004年に至っては、ROEも約10%上昇した。さらに株価においても03年6月30日から優勝マジック点灯の2日後の7月10日までで625円から1150円まで急騰した。
このようにプロ野球球団の好調による関連会社の株価の急騰は定期的に見られる。2013年の楽天もその一例だ。しかし、優勝確定直後は材料出尽くしのため株価が大きく下落することも想定される。
これらのことを踏まえたうえで、企業の応援のためにも100株を5月26日の始値864円で購入する。
【エイチ・ツー・オー・リテイリング(8248)】
年初来高値(2021年3月22日) 1007円
年初来安値(2021年1月4日) 667円
株式取得時の株価(2021年5月26日) 864円
取得株数 100株
◆企業分析バトル カブ大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・月額200万円を投資金額の上限とするバーチャル投資です。
・投資対象は新興市場を含む、国内の上場企業の現物取引です。
・運用期限は最長で6か月。銘柄選定の最終月は10月になります。
・順位は11月末時点で、投資した銘柄(企業)の売買や配当で得た収益の騰落率で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/