きょうは大企業にお勤め。50代の管理職、Lさんです。
「年々、有名大学から優秀な人材が入ってきます。採用試験や面接で選りすぐって採用していますが、数年経つと、優秀なんだけど残念に思うことがたまにあります。もちろん期待値込めて採用することもありますけどね。毎年、教育に頭を悩ませてしまいます」
優等生はこれまで選ばれる立場にいた
学生時代に優秀な学生は「常に選ばれる立場にいた」と思うことがあります。また、社会人になっても、それが続くと思っているようです。しかし本来、社会人になったらそうはいきません。
「この分野の仕事に興味はあるけど、あの分野は興味がないからやりたくない」と考えている人も少なからずいるでしょう。そして指示された業務内容であっても、自分が興味ある業務を優先してしまっていることがあったりします。
Lさん、業務を依頼する際には、優先順位も伝えたうえで指示しましょう。「それくらいわかっているだろう」と思っているかもしれませんが、相手にはなかなか伝わっていないものです。
学歴の高い人が、必ずしも優秀であるとは限りません。会社とはおもしろいところで、学歴が高いからと言って、早く出世したり、仕事ができる人ってわけではないですよね。
上司、部下が逆転することもありますし、これは社会人経験が長いLさんは身を持って体感されているかと思います。学生時代うまくいっていた人は、社会人になってもそのまま自分のやり方で業務を進めてしまって、結果、行き詰まってしまうパターンになることがあります。そこでLさんの登場です。
たとえば、日本の茶道や武道などの師弟関係のあり方である「守破離」の「守」は、まずは型を「守る」ところから修行が始まるとされています。このように、業務の「型」を身につけてもらうために、仕事の基本ができている人から業務を学ぶように仕向けることが、Lさんの役割です。
ただ、誰かに自分から聞きに行ったり、学びに行ったり動くことって、誰もができることではないので、行動を起こすように繋げることからですね。仕事とは、「自ら気づくものだ」そんな考えもありますが、なかなか気づけない時にはサポートが必要なのです。
また、これまで自分の力・頭だけでうまくやってきた人もいるでしょう。そうすると、わからないことも「自分で何とかしよう」と、自分の力だけで進めてしまうことがあると思います。そうすると、結局できなかったり、間に合わなかったりという結果になってしまいがちです。
そこで、物事が終わってしまう前に、途中でヒントを与えられるように、Lさんは動きましょう。ただ、Lさん自身が直接指導するのではなく、指導役にあたる人に、うまく動いてもらうように、裏でサポートする役というイメージです。