東京外国為替市場 ドルの上値重い展開
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~111円00銭
2021年6月4日(金)終値 109円49銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。
前週のドル円相場は、伸び悩んだ。米国の経済指標の回復を背景に、ドル買い・円売りが活発化し、一時1ドル=110円台前半まで上昇したが、米国の5月雇用統計が市場予想を下回ったことで、ドル売り・円買いが活発となり、ドルは1ドル=109円台半ばまで値を下げた。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の経済回復に対する期待感と米長期金利の上昇を背景に、ドルは底堅い動きとなっているものの、米国当局による金融緩和政策の姿勢に大きな変化はなく、米長期金利の上昇も限られたものにとどまっている。
米国の経済指標もまだら模様で、ドルを大きく買い上がっていくほどの材料はない。また、1ドル=110円台では実需のドル売りの見られていることから、ドルの上値は重くなっている。
経済指標は、国内では7日に4月の景気動向指数、8日に4月の毎月勤労統計調査、1~3月期GDP(国内総生産)、11日に4~6月期法人企業景気予測調査などが予定されている。
海外では、7日に中国の5月の貿易収支、8日に米国の4月の貿易収支、9日に中国の5月の生産者物価指数、10日に米国の5月の消費者物価指数などが予定されている。
なお、11日から13日までG7(先進7か国)サミットが開催される。
(鷲尾香一)