派遣社員として働いたことがある500人を対象に、「派遣社員のメリット・デメリットに関する意識調査」を実施したところ、メリットの1位は「希望に合わせて働ける」だったことが、わかった。デメリットの1位は「雇用が不安定」だった。
求人情報サイトを運営するビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が、派遣登録を考えながらも、そのメリットやデメリットがよくわからず、迷っている人のために、データをわかりやすくランキングした。2021年6月2日の発表。
「正社員より給料がいい」こともある!
「派遣社員のメリット」のランキングは次のとおり。
【1位 希望に合わせて働ける】
「派遣ワークには勤務する期間、曜日・時間、仕事内容など多彩な仕事があるので、希望に合う仕事を選びやすい」というのがセールスポイントの一つだ。このことが自らの働き方と合致した派遣社員経験者は多く、「次の仕事までのつなぎとして、短期だけ働けた」、「小さい子どもを抱えている人などは、時間の融通を利かせやすい」、「単発だと、好きなときだけ働ける」―などの意見が寄せられた。
【2位 辞めやすい、3位 責任が軽い】
「担当者に言えば、職場を変えてもらえすぐに次の仕事に就ける可能性がある。正社員だとそうはいかない」(30代男性)、「派遣先の人が『派遣さんだから』と責任の重すぎる仕事は渡してこなかったので、気楽に仕事ができました」(30代女性)―など、「気兼ね」不要、「気疲れ」なしも大きな利点のようだ。
【4位 派遣会社のサポート】
働き方での希望がかなえられ、気を遣わず過ごせるのは「派遣会社のサポート」も大きい。「仕事内容、給料や休みについて、派遣会社が派遣先企業と調整してくれる」(30代女性)。ビズヒッツによると、「面談が苦手だから同席してもらえて助かった」、「社長のタバコの臭いが嫌だったが直接は言えず、派遣会社の方から伝えてもらった」などのエピソードも寄せられた。
【5位 時給が高い】
メリットとして「時給が高い」ことを挙げる人も少なくない。ビズヒッツによると、派遣社員の時給は、企業直接雇用のアルバイトやパートよりも高めに設定されていることが多い。寄せられた声のなかには「時給換算すると、正社員より給料がいい」、「時と場合によって正社員より月収が高くなる」という意見があった。
「休日が多い月は収入が減る」不満も
「派遣社員のデメリット」のランキングは次のとおり。
【1位 雇用が不安定】
「派遣社員のメリット」として、「辞めやすい」が2位に入ったが、一方で「長期で更新ありと言われていても、業績が下がれば更新がなくなることもある」(40代女性)など、「辞めたくなくても職を失う」という面もある。
【2位 収入が少ない/不安定】
「メリット」では、「時給が高い」ということが5位にランクされたが、「正社員と同じような内容の仕事をしていても、給料・ボーナスでは大きく差が出ます(50代男性)という指摘のように、「ボーナスがないため年収は少ない」「休日が多い月は収入が減る」などの不満も多数寄せられたという。
【3位 福利厚生が手薄】
また、「交通費など福利厚生の面でサポートが手薄」(30代男性)など、交通費や退職金が出ないことをデメリットとして挙げた人も多かったという。ビズヒッツによると、今は交通費を支給する派遣会社が多くなっているが、中には「時給に含む」としている場合もある。また、「社内の福利厚生も基本的には社員のみの利用だったため体調不良の際も医務室を使えなかった」とか「社員食堂が使いにくい」という声も寄せられた。
派遣経験者らからの、派遣のメリット・デメリットについて意見をうけビズヒッツは「将来的に正社員や直接雇用へのステップアップを目指すなら『紹介予定派遣』、長期安定的に派遣社員として働きたいなら『無期雇用派遣』の求人を探してみてはいかがか」と提案している。
なお調査は、2021年4月23日~5月3日に、派遣社員として働いたことがある人を対象に、インターネットによる任意回答の形式で実施。500人(女性349人、男性151人)から有効回答を得た。