「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」などで日本のインターネット界をけん引し、現在はフランスで悠々自適な生活を送っている、ひろゆきさん。
「できるだけ働きたくない実業家」が送る、ラクして成果を出すための方法とはどのようなものでしょうか――。
「ラクしてうまくいく生き方」(ひろゆき著)きずな出版
睡眠をとって明日に備えよう
仕事や勉強をしているときに、なぜかうまくいかなかったり、どうしても調子が乗らなかったりすることがあります。マジメな人ほど、「もっとがんばらねば」と思いがちです。
でも、そのような時ほどがんばらずに、さっさと寝てしまったほうがいいと、ひろゆきさんは言います。
「調子が乗らない状態で無理をしても、状況が改善する可能性は低いですからやるだけムダです。カリフォルニア大学バークレー校の2018年発表の研究結果によれば、睡眠不足になると人が近寄ってくることを恐れ、孤立しやすくなるリスクが高まるそうです。これではチームワークもうまくいきませんね」
「睡眠をとると目覚めたときに仕事で行き詰っていた課題の新しいアイデアを思いついたり、理解できなかった公式がすんなり頭に入ってきたりします。これは『レミニセンス(追憶)現象』とよばれているのですが、寝ている間に、脳が情報の整理を行ってくれた結果、起きていることなんです。人間の脳が情報を整理整頓して記憶に定着させるには、睡眠が欠かせません」
ひろゆきさんは、そう言うのです。
無理せずラクに成果を出すためにも、「その日できることは、その日のうちに終わらしてしまおう」などと考えずに、ゆっくり眠って明日に備えたほうが得策なのです。
イライラせずに心は平穏 いまこそスローライフを!
ニュースなどを見ていると、生活保護受給者に対して「もっとがんばって働けばいいのに」とイライラしたり、社内で窓際に追いやられた人を見て冷たく接してしまったり、人間は自分より弱い立場に厳しくなりがちな傾向があります。
「これってじつは、『自分は絶対に弱い立場になりたくない』という気持ちの裏返したと思うんですよね。理想が高くて生まじめな人ほど、『こうあるべき』という理想の自分のイメージがあって、たとえ他人でもそのイメージからかけ離れた人を見るとイライラしてしまうのでしょう。でも、あなた自身も、いつ弱者になってしまうかわかりません」
と、ひろゆきさんは言います。
「だったら、人を弱者と決めつけている、自分の考えを手放したほうがよっぽどラクです。僕はいろんな国を訪れたことがあるのでわかるのですが、国によって価値観って本当に多種多様なんですよ。日本だったら生活保護受給者は弱者と批判されがちですが、ヨーロッパなら『国に助けてもらえばいいじゃん』と肯定的に受け止められたりします」
世界には多くの価値観が存在します。相手を弱者だと判定する価値観ではなく、。相手のことを肯定できるようになったほうが、自分自身を苦しめずに済むのです。
世間から頭一つ飛び抜けた成功者になりたいのであれば、ひろゆきさんのような考え方はオススメしません。しかし、「あまり努力をしたくない」「気楽に生きていきたい」「要領よくやり過ごしたい」という人には大いに参考になる考え方です。
いま、若者を中心に、ひろゆきさんの発言に注目が集まっています。最近は、2ちゃんねる創設者というよりテレビなどでの「論破王」として認知されている、ひろゆきさんの価値観とはなにか?
できるだけ働かずに、お金も使わずに、ラクしてほどほどに幸せに生きるコツを抽出した本書は、コロナ禍で疲れ切ったビジネスパーソンに気づきを与えます。
(尾藤克之)