実験の動画をユーチューブで公開
事故が起きた場合、コールセンターなどに自動的に通報する自動緊急通報装置は、現状で軽自動車に標準装備するケースは少ない。このため、軽自動車で搭載済みの日産デイズの評価は高く、未搭載のeKワゴン・eKクロス、タフト、ハスラーの評価が低くなった。
最高点のファイブスター大賞となったレヴォーグは、スバル自慢の運転支援システムが最新の「アイサイトX」となり、人工衛星の位置情報で車両を制御するなど、安全性が一段と向上。2016年に世界で最初にスバルインプレッサが採用した歩行者用エアバッグを搭載するなど、安全装備が乗員だけでなく、歩行者保護にも広がった。
新型レヴォーグの開発責任者でスバル商品企画本部の五島賢氏は大賞の受賞式で、
「スバルは安心と楽しさをお客様への提供価値と考えている。2030年にスバル車がかかわる死亡事故をゼロにする目標を掲げており、その実現に向けた技術のいくつかは、今回のレヴォーグが基本になると考えている」
と語った。
五島氏はエアバッグ開発のエンジニアで、「新型レヴォーグにはエアバッグを合計8個搭載している」など、最新の安全装備についても説明した。
実際にテストを行った自動車事故対策機構は、今回の10車種それぞれの実験の動画をユーチューブで公開している(レヴォーグは、こちら)。正面から壁面に衝突する「フルラップ前面衝突」、運転席か助手席のみ衝突する「オフセット前面衝突」、「側面衝突」、街灯のない夜間に歩行者が路上に飛び出した場合の「衝突被害軽減ブレーキ」などの動画は必見ものだ。各車の映像と総合評価の得点を比較すれば、ユーザーが自動車を購入する際の参考となるだろう。(ジャーナリスト 済田経夫)