金属専門商社の「白銅」を選んだワケを説く!(慶応義塾大学 八田潤一郎さん)【企業分析バトル】

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サプライチェーンとコモディティ市況

   二つ目の切り口はサプライチェーンで、川の流れを例に、3つに分かれるといわれる。商品の原料となる資源や素材を扱う「川上産業」、それらをもとに部品や加工物をつくる「川中産業」、部品をもとに商品に完成させ、消費者に届ける「川下産業」だ。

   インフレの影響を受ける、エネルギー、金属や穀物など多数の商品で構成されるCRB指数も堅調に推移し、コモディティ・スーパーサイクル到来などという声も出てきた。特に世界景気を反映することから、「Dr.Copper」の異名を有する銅が、脱炭素需要なども相まって史上最高値を更新している。

   加工貿易を行う日本にとって、商品の価格上昇は原料高を招き、多大な影響を及ぼす。そこで、注目したいのが川上産業だ。資源の生産権益を持つ商社系は勿論だが、原材料高騰はあるものの市況価格に合わせて売ることができる素材や化学メーカーを含めた、川上産業全体に注目だ。

   これらのことから、世界のマーケットは価格調整局面だが、「川上産業」「景気敏感」「高配当」「バリュー」銘柄を選びたい。

   注目したのは、非鉄金属・鋼、プラスチック材料の金属専門商社の「白銅」(7637)。

● 川上産業:非鉄金属を中心とする金属商社であり、各産業界に納入している。
● 景気敏感:2021年3月10日「業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、「半導体需要増を背景に半導体製造装置市場の拡大および原材料市況の上昇により、前回予想を上回る見通しとなった」ということからもわかる。
● 高配当:前出の業績予想の修正に合わせて、配当も増額している。今後も景気改善、コモディティ価格上昇にともなって、業績が上振れるならば、過去の配当推移を加味して大きく増額の余地がある。
● バリュー:他の商社同様、割高感はなく、今後も業績改善が進むという前提に立てば、このバリュエーションで見直し買いが入っても、不思議はない。

    したがって、業績修正とコモディティ市況を手掛かりに、決算日である5月14日始値1708円で100株購入した。

白銅(7637)
年初来高値(2021年5月10日)     1850円
年初来安値(2021年2月19日)     1359円
株式取得時の株価(2021年5月14日)  1708円
取得株数                 100株

◆企業分析バトル カブ大学対抗戦のルール
・月額200万円を投資金額の上限とするバーチャル投資です。
・投資対象は新興市場を含む、国内の上場企業の現物取引です。
・運用期限は最長で6か月。銘柄選定の最終月は10月になります。
・順位は11月末時点で、投資した銘柄(企業)の売買や配当で得た収益の騰落率で決めます。
慶應義塾大学 八田 潤一郎 (はった・じゅんいちろう)
慶応義塾大学法学部政治学科2年。学生投資連合USIC代表。
小学生の時に株式投資を始め、アベノミクス相場で大きく資産を増やすも、2015、16年のチャイナショック、18、19年の米中貿易摩擦を経て、機関投資家や地合いの影響を比較的受けにくいニッチな小型銘柄の長期投資にシフト。20年のコロナショックで分散投資とリスクヘッジの重要性を認識し、FX、不動産、暗号通貨、コモディティ、デリバティブを新たに運用しながら、毎日勉強中。金融を学ぶ「おもしろさ」、投資の「楽しさ」を多くの人に知ってほしいと願う。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に、全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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