わが家の長男は昨年(2020年)、米国株デビューを果たしている。
その後も運用は順調に続いており、ぼくは事あるごとに長男が保有している銘柄に関係するニュースが出てきたときは話題に出すようにしている。
きょうはそんな一コマを紹介する。
参考リンク:「小学4年で米国株デビュー! 投資を身近なものにするためにパパがしたこと」(J-CASTニュース 会社ウオッチ 2020年6月23日付)
ドローン配送を進める米アマゾン
複数の米メディアは2021年5月24日、米アマゾン・ドット・コムによる米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の買収交渉が大詰めだと報じた。買収額は約90億ドル(約1兆円)で、週内にも合意する可能性があるとしている。
あっきん「おっ! Amazonが1兆円で映画製作会社を買収やって。なんでこんなことすると思う?」
長男「Amazonが自分のとこで映画作るよりも映画作ってる会社買ったほうが、てっとり早いから? 映画館で上映するだけじゃなくてAmazonプライム会員向けに配信したりとかもできるから?」
あっきん「そうそう。そんな感じ。Amazonの強みはなんと言っても大きな資金力。Amazonは稼いだお金をどんどん他の事業に投資してサービス向上していくビジネスモデルやねん。だからAmazonプライムの会員は増え続けてる。囲い込み作戦やね」
あっきん「去年出たニュースやねんけどAmazonってドローン使った配送の許可をアメリカで取得してんねんで。注文入ってから30分以内に届けることを目標にしてるみたいよ。凄いね!」
長男「それって日本でも導入されるん?」
あっきん「日本はどうかな~。技術的にどうとか言うよりもドローンをこんな条件なら飛ばしていいよっていうルールを決めるのが日本は遅いからね。反対にアメリカは新しいものを積極的に取り入れようとする姿勢が民間企業にも政府にもあるからね。そのために必要な制度改正はどんどん進めていくみたいな傾向があるんよ」
長男「学校の先生でも『〇〇したらダメ!』っていう先生と『〇〇するにはどうしたらいいかみんなで一緒に考えよう!』って先生おるからそれと似てるね!」
あっきん「そういうことやね。会社に入っても似たような話あるで。上司から〇〇やりたいからよろしく! って言われたときにできない理由をぐたぐた言う部下と〇〇はできないけどこんな感じならやれそうです! って言う部下やったらどっちと仕事したい? 前向きな考えの人としたいよね?」
Amazon株は売らなくていい。
ぼくは長男とのやり取りの中で「Amazon」という会社は顧客第一主義。サービスをよりよいものにするために、利益をどんどん再投資している企業であることを、事あるごとに伝えてきた。
それがユーザーであるぼくたちにもわかりやすく見えているから、Amazonのサービスを使い続ける。Amazonも年会費を取っているから、便利になって利用者が増えれば増えるほど入ってくる収入も増えていく。それがAmazonの企業価値の向上になり、最終的には株価に反映される。つまり株価は上がっていくのだ。
株価に目を向けると2000年に82ドルだった株価は2021年には3200ドルにもなっている。じつに39倍にもなる。10万円買っていれば390万円になっている計算だ。ただし、そうなるためには、たった一つだけ条件がある。それは決して売らないことだ。
多くの投資家は、今の株価はもう高い。そろそろ天井だと思い込んで持っていたAmazon株を手放している。これはすごく当たり前の心理で、言うほど同じ株を保有し続けることは簡単ではないと、ぼくは思う。人間である以上欲がでるのは当たり前だから。
ただ長男を見ていると、まったく欲が出てこないのは不思議な点である。一度もそろそろ売ろうかと言ってこない。おそらく売った利益で何かを買おうという欲がないからだ。
そして、そこまで目の前の株価を気にしていないからだ。ただ株を持っているだけで10年後にマジマジと株価を確認したら、「めちゃくちゃ増えていた」という感じのほうが、じつは投資でお金を増やせるのではないかと思ったりもする。
そんなことを思いながら長男とのアマゾン談義をしていた。彼のAmazon株が今後どう成長するかも気になるが、投資家としての成長も楽しみである。(あっきん)