「物言う株主」の出方は?
シティインデックスイレブンスは5月27日付で関東財務局に提出した大量保有報告書において取得の目的を「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行う」としている。それだけでは抽象的でよくわからないが、市場では富士石油のPBR(株価純資産倍率)が0.4倍台という水準に低迷していることに着目したのではないか、との見方が出ている。
PBRは株価が1株当たり純資産の何倍かをみて、割安か割高かを判断する指標。通常は1倍を下回れは割安とされ、0.4倍というのは相当に低い。
シティインデックスイレブンスはこの1年ほど、西松建設や大豊建設、東亜建設工業といった低PBRの準大手・中堅ゼネコン株の取得を進め、一部からはすでに増配などの株主還元策を引き出している。経営効率化のためさらに建設業界の再編に突き進むのではないか、との観測もある。
こうした中で、主要顧客が出資する富士石油の大株主となった「物言う株主」。株主還元の強化はもとより、何を要求しようとしているのか。また、設立時に出資した「安定株主」が多い中で、どのように要求を認めさせていくのか、市場関係者にとって目が離せない状況が続きそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)