怪物ウイルス「ベトナム型」の誕生で「東京五輪はモンスターたちの見本市になる!」(2)

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変異株は流行国以外からやってくる

ベトナム型の元になったインド型変異ウイルス(国立感染症研究所提供)
ベトナム型の元になったインド型変異ウイルス(国立感染症研究所提供)

   そんななか、朝日新聞(5月31日付)「変異株、複数ルートで流入か 水際対策強化の隙を突き」が、予想もしない国からさまざまな変異株が検疫をすり抜けて入ってきている恐ろしい実態を、こう伝える。

「国内で感染が広がる新型コロナの変異株は、国が変異株の流行地として警戒している以外の地域を経由して流入したケースが複数あるとみられることが、ウイルスの遺伝情報などを分析した慶応大チームの調査でわかった。人の往来にのって変異株が第三国を介して間接的に入り込んだとみられ、現在の水際対策の課題が浮かぶ」

   新型コロナウイルスの遺伝情報は、4種類の文字からなる「塩基」という物質が約3万つらなってできており、15日に1文字ほどのペースで塩基が入れ替わる。これを「変異」というわけだが、慶応大チームは国際的なデータベースに登録、公開されている新型コロナの遺伝情報を分析。すると、同じ英国型変異株でも、塩基の違いによって大きく5タイプに分かれ、うち4つは今年1月、変異株の流行国・地域に指定されていなかった東南アジアや中東などを経由して日本に流入したと推定されるという。

   ブラジル型や南アフリカ型にも同じことがわかり、指定の対象外だった欧州経由で今年2月に流入したと推定された。政府は昨年12月以降、変異株が流行していた国・地域からの入国者に対する水際対策を順次強化しているが、これでは水際対策の意味がないことになる。

   朝日新聞はこう結んでいる。

「変異株は流行国から直接、日本に入るとは限らない。流行国・地域に指定していない別の国からの入国者に関して、政府は現在、宿泊施設での待機は求めず、14日間の自宅待機を求めている。現在、英国株より感染力が高いインド型が流入している。感染症に詳しい群星沖縄臨床研修センターの徳田安春センター長(臨床疫学)は『ウイルスの遺伝情報の解析が十分にできていない国もあることを踏まえると、どんな変異株がどこで生まれていてもおかしくない。特定の国や地域に限定せず、水際の備えをもっと強化していくべきだ』と指摘する」
何が起こっても五輪をやめようとしない菅義偉首相
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   通常の水際対策でさえ、これほどの「ザル」なのだ。東京五輪では、五輪組織員会は人数を絞ったとはいうものの、世界中から約9万人の選手、関係者が東京周辺に集まる。どんな変異株を持ち込んでくるか見当もつかない。

   ネット上では、

「世界中の変異株の見本市になるのは確実だ」
「インド型、ベトナム型を上回る最悪の〈ラスボス〉日本型が生まれて、世界に迷惑をかけなればよいが」

   という意見があふれている。

(福田和郎)

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