インドを抜いて感染爆発世界一になったマレーシア
インド型変異株はアジアでも燎原の火のように広がっている。襲われたのは日本が予想もしなかった国、マレーシアだ。共同通信(5月28日付)「マレーシア、感染急拡大 人口比でインド上回る」がこう伝える。
「マレーシアで新型コロナウイルスの感染が急拡大し、人口当たりの新規感染者数がインドを超えている。変異株の流入や規制疲れなど複合的な要因だ。政府は州境を越えた移動や外食の禁止など行動制限を課したが、感染の勢いは止まらない。現地には多数の日本企業が進出しており、邦人コミュニティーにも影響が及びそうだ。英オックスフォード大の研究者らが運営する『アワー・ワールド・イン・データ』によると、人口100万人当たりの新規感染者数(7日間平均)は5月26日時点で、マレーシアが211人。インドが165人だ」
それまで、人口100万人当たりの新規感染者数はインドがトップだから、マレーシアが一気に1位に浮上したわけだ。マレーシアを席巻している変異株の主流が、英国型かインド型かは不明だが、日本にとってマレーシアはノーマークの国だった。
外務省が「インド型変異株の水際対策」(5月28日現在)の対象として、入国後10日間の厳しい隔離措置をとる国は、インド、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、モルディブ、スリランカの6か国だ。ほかに、英国、カザフスタン、チュニジア、デンマークの4カ国が3日間の隔離措置の対象になる。
ということは、インド型変異株を持ったマレーシアからの入国者が、かなりの割合で強化措置をくぐりぬけて検疫をスルーした可能性があるわけだ。
インド型変異株は、英国型変異株と比べて感染力が1.5倍とされる。英国型の感染力は従来株の1.5倍とされるので、インド型変異株は従来型に比べ、1.5×1.5=2.25倍の感染力があるわけだ。遅かれ早かれ、従来型に置き換わるのは時間の問題だ。