尾身会長「五輪をやればインド株が入ってくる」
さて、日本ではどうか。5月28日、菅義偉首相の助言役である政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長も衆院厚労委員会の場で、事実上、極めて強い口調で「東京五輪中止」を求めたのだった。朝日新聞(5月28日付)「尾身会長、五輪に『ウイルス流入リスクある』」が、こう伝える。
「『インド型変異株がはやっていて、本当に東京五輪を開催して大丈夫なのか。大変なことが起こるのではないか』。立憲民主党の長妻昭氏が質問した。東京五輪・パラリンピックでは、約9万人の選手や関係者が来日することが予定されているためだ。政府の対策分科会の尾身茂会長は『一般論』とした上で、『来る人が出発前にクオリティーの高いワクチンを打ち、検査をしっかりしていれば、国内へのウイルスの流入は防げるが、現実はそうはたぶんならない』と語った。さらに『インド株は世界にかなり拡散している。たくさんの人が来れば、国内へのウイルス流入のリスクは当然ある』と述べた」
米国と日本の指導者は、この助言者たちの真っ当な訴えに耳を傾ける勇気はないのだろうか。
(福田和郎)