マスクを着けたくても着けられない人に「せんすマスク」 高校生社長に開発秘話を聞いた(後編)【若手経営者インタビュー】

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コロナ禍で「感覚過敏」が知られるきっかけに

「新型コロナウイルスは感覚過敏が知られる、いい機会になった」

   と話す加藤さん。「せんすマスク」は反響を呼んだが、ウイルスを完全に遮断するものではないこと、あくまで飛沫対策であり嗅覚過敏を持っている人には対応しきれていないことから、今後もマスクの開発は続けていくつもりだ。

購入者の意見をもとに改良を重ねた「せんすマスク」(画像は感覚過敏研究所提供)
購入者の意見をもとに改良を重ねた「せんすマスク」(画像は感覚過敏研究所提供)

   加藤さんにこれからの展望を聞いてみると、

「感覚過敏研究所として、五感に優しいアパレルブランドの立ち上げを準備しています。服の縫い目を外側にして、段差を少なくし、痛いところを少なくしました。靴下の開発もしています。
感覚過敏の研究も少しずつ始めていて、今は『味の錯覚』を研究しています。VR世界ではコーラを手に持っていますが、現実の世界では炭酸水を持っている。それを飲んだらコーラの味に錯覚するか、というものです。
感覚過敏で食べられないものが多い人は少なくなくないので、もし錯覚できるようになれば、栄養バランスよく食べることができるようになるかと思います」

   起業を経験したことによって、加藤さんは

「視野が広くなり、社会のイメージが変わった。それほど怖くないなと思いました」

と言う。

   起業を通じて大切だと思うことを聞くと、

「今を諦めない選択が本当に重要だなと思いました。それがすべての事業の根本にある気がします」

と話す。

(会社ウォッチ編集部 笹木萌)

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