マスクを着けたくても着けられない人に「せんすマスク」 高校生社長に開発秘話を聞いた(後編)【若手経営者インタビュー】

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「自分の会社があるんだから、自分の困りごとを解決しなよ」

   そんな父の言葉をきっかけに「感覚過敏研究所」を設立したのは、クリスタルロード(東京都中央区)の社長で、高校1年生の加藤路瑛(かとう・じえい)さん(15)だ。感覚過敏の人に向けたグッズを製作している。

   自身の悩みでもある「感覚過敏」に焦点をあて、触覚過敏の人に向けた「せんすマスク」を開発。マスクを着けたくても着けられない人に配慮した商品として注目を集めた。

   J-CAST会社ウォッチ編集部が、加藤社長に「せんすマスク」の開発秘話を聞いた。

  • 半透明のせんすマスクを持つ加藤路瑛さん(画像はZoomのスクリーンショット)
    半透明のせんすマスクを持つ加藤路瑛さん(画像はZoomのスクリーンショット)
  • 半透明のせんすマスクを持つ加藤路瑛さん(画像はZoomのスクリーンショット)

父の言葉がヒントに

   加藤路瑛さんが「親子起業支援」のウェブメディアやクラウドファンディングに続く、次の事業について悩むなか、転機となったのは、父からかけられた

「せっかく会社を持っているんだから、自分の困りごとを解決しなよ」

という言葉だ。

「そこで思いついたのが、『感覚過敏』ですが、その時はまだ取り組みたくないと思っていました。自分の困りごとに向き合うのが怖かったんです」

   感覚過敏は「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」の感覚が敏感になり、日常生活に支障をきたしていることを指す。加藤さんは聴覚・味覚・嗅覚・触覚過敏を持ち、なかでも聴覚・味覚過敏が特に強いという。

   たとえば、旅行先の名物を食べたいと思っても、においや味で頭が痛くなるために諦めることがあった。しかし加藤さんは父の言葉をきっかけに、感覚過敏に向き合うことを決めたという。

「ぼくは『今を諦めない生き方』をすごく大事にしています。何かやりたいと思ったときに、やらない理由を作らずにすぐやる、という生き方です。
しかし父の言葉で、これまでの自分は感覚過敏を理由に、さまざまなことを諦めていたことに気づきました。自分はこれでいいのかと思い直し、この課題を解決するために感覚過敏研究所の立ち上げを決意しました」
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