12歳で起業! 高校生の若き社長、加藤路瑛さんが会社を作ったワケ(前編)【若手経営者インタビュー】

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ウェブメディアを設立も「技量がまったく足りてなかった」

   学校の許可を得た後は、資金調達のためにクラウドファンディングを実施。115万4500円の支援を得て、起業を思い立ってからおよそ半年後の2018年12月に「株式会社クリスタルロード」を設立した。現在は通信制の高等学校に通いながら、仕事をしている。

Zoomの背景はクリスタルロードが運営する「感覚過敏研究所」で制作。感覚過敏の人が使用することを想定(画像はZoomのスクリーンショット)
Zoomの背景はクリスタルロードが運営する「感覚過敏研究所」で制作。感覚過敏の人が使用することを想定(画像はZoomのスクリーンショット)

   最初に手掛けた事業は、小中高生だけで運営するウェブメディアだ。親子起業支援とは少し違うように思われるが、それにはこんな理由があった。

「最初は小中高生の起業を支援するために、お金を集めるプラットフォームや、小中高生と企業をマッチングさせる仕組みを作りたいと思っていました。それをいろんな人にプレゼンしたところ、『小中高生で起業したい人いるの?』『まだ成功してないのにやるの?』ということを結構言われて。まずはわかりやすいものから始めようということになりました」

   新しい職業を生み出す可能性の場になればいい――。そんな理想を掲げて立ち上げたウェブメディア。小中高生のライターが様々な職業の人にインタビューをして記事を書き、加藤さんは編集長としての役割を担った。

   記事には「投げ銭」機能を付け、そこに入ったお金がライターの収入になった。運営は1年以上続けたが、ただ結果は満足のいくものではいかなかった。

「編集長としての技量がまったく足りてなくて、みんなをまとめることがあまりできなかったんですよね。小中高生でやっているというせっかくの利点があるのに、大人のクオリティを目指してやってしまったのが反省点です。小中高生の良さを出すんじゃなくて、大人が書いたように読みやすくてすらっとした記事を書こうとしてしまって。いま考えたら惜しかったなと思います」

   ビジネスとしては成功とはいえない――。そう話す加藤さんだったが、ウェブメディアからは始めたことによる利点もあった。メディアを運営していく中で、文章を書く力やコミュニケーション力の上達、名刺交換などのビジネスマナーが身についたという。

   その後、小中高生と雑誌制作、クラウドファンディングのプラットフォーム立ち上げなどの事業を手掛けたが、納得のいくものはできなかった。

(後編につづく)

(会社ウォッチ編集部 笹木萌)

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