経団連・中西会長が異例の途中退任 4年後の登板を本命視される、あの経営者

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   日本経済団体連合会の中西宏明会長が2021年6月1日付で退任し、後任に住友化学の十倉雅和会長(経団連審議員会副議長)が就く人事が決まった。

   リンパ腫の治療をしながら会長を務めてきた中西氏は療養に専念することになり、日立製作所の会長職も退いた。経団連会長の任期は2期4年が通例だが、1年を残した途中退任となる。十倉氏も2期務める見込みで、財界では早くも4年後を見据えて次期会長の名前も浮上している。

  • 経団連の中西会長が異例の途中退任(写真は、経団連会館)
    経団連の中西会長が異例の途中退任(写真は、経団連会館)
  • 経団連の中西会長が異例の途中退任(写真は、経団連会館)

中西会長、「就活ルール」廃止に女性副会長の就任に尽力

   経団連会長は、かつて「財界の総理」とまで呼ばれたほどの経済界のリーダー的な存在。東レで社長や会長を歴任した榊原定征氏(現関西電力会長)の後任として、2018年に就任した中西宏明氏は、まず大学生の就職活動に関する「経団連ルール」の廃止に乗り出した。春の大学卒業に合わせて一括採用する仕組みは、多様な人材を必要とする企業の現状からかけ離れており、通年採用が広がるきっかけとなった。

   他にも経団連への加入条件を緩和してIT系など新興企業に門戸を広げたり、経団連初の女性副会長としてディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長を指名したりして、旧来の「重厚長大型」企業が中核を占めている経団連自身の改革にも尽力した。

   しかし、2019年5月にリンパ腫が判明して入院。その年の9月に復帰を果たしたが、2020年7月に再発。病室から経団連や日立の執務に当たり、メディアのオンラインインタビューにも応じていたが、療養が必要と判断した。

   一方の十倉氏は、経団連では2015年から19年に副会長を務め、19年からは審議員会副議長だった。経団連には会長に就任する条件として「現職の副会長か副会長経験者」という慣例があり、今回は中西氏が経団連事務総長を介して十倉氏を指名したとされる。

   住友化学からは2010年から14年に米倉弘昌氏(故人)が経団連会長を務めたことがあり、出身企業としても支えられると判断された模様だ。

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