マスターズ優勝の松山選手にみる愚直な努力の姿勢
池江選手の感動の五輪内定から1週間後、今度はプロゴルファーの松山英樹がゴルフの4大メジャー大会である「マスターズ」でアジア人初の優勝を遂げました。優勝の瞬間を伝えたテレビの衛星生中継では、実況のアナウンサーも解説の中島常幸プロもそろって涙でしばし声にならないという「放送事故レベル」の感激にむせぶほどの、国内全ゴルフ関係者およびゴルフファン念願の快挙でありました。
松山プロの優勝は、言ってみれば執念のメジャー制覇でした。彼はアマチュアゴルファーとしてならした父の影響で、子どものころからメジャー大会で優勝することを夢見、常に人一倍の努力を続けてきたといいます。
アマチュアとして注目されはじめた大学時代には、周囲は強くプロ入りを勧めていたものの、稼ぐためではなくメジャー制覇できる実力づくりに集中したいと、アマチュアを貫いたストイックさは特筆に値します。
2011年にマスターズに初出場してアマチュア優勝を飾ると、プロ転向後の2014年からは主戦場をアメリカに移し、ひたすらメジャー制覇に向けた孤独な闘いを続けたのです。
決してあきらめないその愚直な努力姿勢は、過去にメジャー挑戦を試みたどの国内トッププロの比ではありませでした。その努力で得られたものが自信でした。ホールアウト後のインタビューでの「勝つと決めていました」との言葉は、彼の優勝はその自信のなせる業であったことを如実に表していました。
彼の大先輩であり全米オープン2位惜敗の経験を持つ青木功氏が、「彼の優勝はツキもあったが、ツキを呼び込むほどに誠実な練習があったということ」と語った言葉に、何より「愚直な努力は必ず報われる」ということを改めて感じさせられた次第です。