コロナ禍のフィットネスクラブ、2020年度の市場規模は3割超の縮小 倒産・休業は過去10年で最多

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在宅勤務、外出自粛で戻らぬ利用者

   一方、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、フィットネスクラブの合計利用者数(月別)は、2016年4月に2084万人となった。その後は小幅な増減を繰り返しながら、20年2月(2071万人)まで約2000万人の規模が続いていたが、コロナ禍の感染拡大でフィットネスクラブが感染スポットとして取り上げられたことが響き、20年3月に1176万人と急降下。緊急事態宣言で休業を余儀なくされるなどして同5月には100万人にまで落ち込んだ。

   調査によると、20年6月の合計利用者数は1284万人と急回復したが、増加のペースは遅く、2021年3月は1716万人にとどまっている。

   各施設は感染対策を強化しながら順次再開させたものの、テレワークによる在宅勤務の拡大や不要不急の外出自粛などで店舗への来店頻度が大きく低下。2021年に入っても利用者が前年比7割前後の回復にとどまるなど、需要の回復は遅れぎみだ。

   フィットネスクラブをめぐっては、今後も引き続き外出自粛などの動きから来店頻度の低下、店舗の集客力低迷が続くとみられる。そのため、各社とも屋内店舗型サービスから、オンライン中心のサービスや、アウトドア型のフィットネスなど新たな需要を掘り起こすことで、利用者の早期回復や経営の立て直しを模索している。

   トレーニングジム最大手のRIZAP(ライザップ)は、オンラインを活用した在宅フィットネスのプログラムを拡充。店舗の統廃合を進める一方で、TikTok(ティックトック)やYouTube(ユーチューブ)など動画投稿サイトを活用し、非接触・非対面型のサービス拡充に取り組んでいる。

   ルネサンスは傘下の子会社を通じ、アウトドア型のフィットネス事業へ本格的に参入。アウトドアフィットネスは、ウオーキングやヨガなどのメニューを、公園など屋外施設や自然環境を利用して行う新形態のサービスで、屋内で「『密』を回避したい」と考える個人利用者の潜在ニーズ取り込みが期待でき、今後の事業拡大が見込まれる分野とされている。

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