「週刊エコノミスト」世界経済6%成長率に11のリスク
「週刊エコノミスト」(2021年6月1日号)の第1特集は、「世界経済 急回復のワナ」。国際通貨基金(IMF)が発表した2021年の世界経済成長率は6%と上方修正され、実現すれば、1980年以降で最も高い成長率となる。しかし、市場の不安心理は高まり、米国の株価は乱高下している。
特集では、11のリスクを挙げている。インフレ過熱、インドの感染爆発、遅れるワクチン、SPAC(特別買収目的会社)ブーム、欧州や日本の金融機関が多額の損失を出した米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの再来、原油急騰、台湾有事、米中摩擦だ。
聞き慣れないSPACとは、買収対象を決めずに上場するため、「白地小切手会社」などと陰口を叩かれながらも、4月時点で調達合計額は1000億ドル(約10兆9000億円)を超え、企業買収ブームを支えている存在だ。
業績見通しの不明瞭な企業が「上場会社」として売買され、投資家が思わぬ損失を蒙るケースも発生しているという。
こうしたバブル的兆候に金利上昇の火が付けば、
「あっという間に不安の炎が広がる可能性もあるだろう」
と、金融シンクタンクのRPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)、倉津康行代表は警告している。