「ハイブリッド型」付属校に注目
パート2では、「付属校の魅力」を取り上げている。併設大学への進学を確保した上で、他大学に進学する道を残した「ハイブリッド型」付属校が注目されているという。
大学付属の中高一貫校の内部進学率をまとめた表が興味深い。同じ付属でも慶応や法政では内部進学率が9割を超える一方、早稲田や日大では付属間にかなりのバラつきがある。
例えば、日大の付属では、日本大学豊山が69.3%なのに対し、日本大学第二は27.0%だ。だが、日本大学第二はGMARCHへの合格者が多く、進学校化していることがわかる。系列大学にどのくらい進めるのか、把握しておきたい数字だ。
また、パート3では、「進学校vs.付属校」と題し、大学付属よりお得な進学校ランキングを掲載している。あこがれの大学の付属校の偏差値は高すぎるが、その大学に入るだけの学力がつく進学校には手が届きそう。そういう場合には後者を検討してもいいのではないか、という発想だ。
早慶付属よりお得な進学校ランキングで、編集部が注目しているのが、攻玉社(東京都)、頌栄女子学院(同)、サレジオ学院(横浜市)だ。攻玉社は中学入試偏差値が55と、早慶付属平均の63よりかなり低い。しかし、早慶以上とされる東大、京大など難関国立大に計49人が合格。早稲田にも115人、慶応にも119人が合格している。
関東ではほかに、芝、本郷、鷗友学園女子、東京都市大付属などが上位に入っている。「付属校バブルは来年に終わる。学校選びは親の誘導も大事」という中学受験専門家の声も紹介している。
近年は、女子校が校名を変更し、共学化する動きが進む。親の世代には知らない学校が増え、序列もかなり変わっている。私立の学校選びには、親の学校研究が不可欠のようだ。