「緊急事態宣言下でも五輪開催」化けの皮がはがれたIOC幹部の暴言に日本国民の怒りの声(1)

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「東京は犠牲のトンネルの終わりに光を放つ」

   一方、日刊スポーツ(5月22日付)の「記者の目:波紋呼びそうなコーツ氏発言なぜ? 緊急事態宣言への解釈に差」では、三須一紀記者がコーツ副会長らIOC幹部たちの暴言の背景を、こう解説する。

「『緊急事態宣言下でも五輪は開ける』。コーツ氏の発言は『宣言と五輪は関係ない』と言った4月のバッハ会長の発言に続き、国内世論を相手に大失点となりそうだ。彼らの日本国民とかけ離れた感覚はなぜ生まれるのか。普段IOCとの会議に出席する組織委幹部はその理由を分かりやすく解説する」

として、組織委幹部のこんな証言を紹介する。

「緊急事態宣言という響きは、欧米からするとロックダウンに聞こえる。しかし欧米に比べ、日本は感染を抑え込んでいる。それなのに『なぜ東京がロックダウンをやるのだ?』とよく言われる。そこで、宣言について一部罰則はあるが、欧米のロックダウンほどの強制力はないと説明する。するとIOC側に安心感が生まれ、東京の感染者が少ないことから『なぜこれで五輪が開催できないのだ』と疑問を投げかけてくる。だから今回、コーツ氏も気軽に『絶対にイエスだ』と発言したとみられる」

   このコーツ氏のトンデモ発言の翌日、トーマス・バッハ会長も「問題発言」をしていたことが明らかになった。

「犠牲を払わなくては」と語ったバッハIOCの会長
「犠牲を払わなくては」と語ったバッハIOCの会長

   共同通信(5月24日付)「五輪のため『犠牲を』バッハ会長 反発必至」がこう伝える。

「新型コロナウイルスへの懸念で中止論が高まっている東京五輪を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、五輪開催を実現するために『われわれは犠牲を払わなければならない』と述べたと、インドのPTI通信が5月23日までに報じた。『われわれ』に日本人を含める意図があるのかは不明だが、国民感情に配慮を欠く発言として反発を招きそうだ。22日に開かれた国際ホッケー連盟のオンライン総会であいさつした際の発言という。IOCは21日、コーツ副会長が緊急事態宣言下でも開催するとの意向を示し波紋を広げたばかりだ」

   国際ホッケー連盟総会を取材した、「ホッケー大国」インドのメディア報道を引用しているので、「犠牲」(Sacrifice)の内容が今一つよくわからない。 バッハ会長は「犠牲」という言葉を、

「五輪の夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない。東京五輪がようやく間近に迫った今、最後のカウントダウンが始まった。東京はトンネルの終わりに光を放つだろう。アスリートは間違いなく彼らの五輪の夢を実現できる」

という文脈の中で使ったのだった。

   ここでも、コーツ副会長と同様に「アスリートファーストの五輪の夢」意識が強く感じられる。しかし、「いくらかの犠牲」を払わされる者に日本国民が含まれているとしたらたまったものではない。

(福田和郎)

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