東京株式市場で日経平均株価は、米国のインフレ懸念や長期金利の上昇傾向、暗号資産のビットコイン急落などの波乱要因で大きく下落。しかし、それも落ち着きを取り戻してきた。日経平均株価の動きは一進一退になりそう。ドル買い・円売り材料も弱まっている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米インフレ懸念、引き続き警戒
日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万9000円
2021年5月21日(金)終値 2万8317円83銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。
前週の日経平均株価は、荒い値動きながら小幅反発した。米長期金利の上昇懸念が相場の重しとなっているのに加え、暗号資産のビットコイン価格が急落したことも嫌気された。
ただ、2万8000円割れの水準では、押し目買い意欲が強く、底堅い動きとなった。
今週の日経平均株価は、もみ合いか。米長期金利の上昇懸念、米国のインフレ懸念は収まっているものの、引き続き警戒が必要だ。相場の波乱要因となったビットコイン価格も下げ止まっている。日経平均株価は2万8000円割れの水準では、押し目買い意欲が強く、底堅さが確認されている。しかし、2万8000円台半ばの水準からは戻り売りが待ち構えており、上値も重い展開となりそうだ。
東京外国為替市場 弱まるドル買い材料
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円00銭~110円00銭
2021年5月21日(金)終値 108円94銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開だった。米長期金利の上昇が一服し、暗号資産のビットコイン価格が急落したことを嫌気し、ドルは一時1ドル=108円台半ばまで下落した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国のインフレ期待の後退と米長期金利の上昇一服で、リスク選好のドル買い・円売り材料が弱まっている。
一方で、ドル急落の要因となったビットコイン価格も落ち着きを取り戻しており、大きくドルを売る材料もなくなっている。このため、全般はレンジ内でのもみ合いが予想される。ただ、相場は神経質な動きとなっているため、米国の経済指標などには注意が必要だ。
経済指標は、国内では26日に3月の景気動向指数(改定値)、28日に4月の完全失業率と有効求人倍率などが予定されている。
海外では、25日に米国の5月の消費者信頼感指数と4月の新築住宅販売、27日に米国の1~3月期GDP(国内総生産)改定値、28日に米国の4月の個人所得と個人消費支出などが予定されている。
(鷲尾香一)