需要増える? 利用者が減る...... タクシー運賃、変動制導入へ検討開始

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広がる「ダイナミックプライシング」の波

   ただ、導入に際しては課題も少なくない。需要の多い時に運賃が上がる結果、大勢の利用者の負担が重くなる可能性が高い。特に、割り増しの程度次第では、タクシーを利用できなくなる人が出てくるかもしれない。

   お年寄りや体が不自由な交通弱者が雨天にタクシーを使えないような事態になれば、社会的に許容されないだろう。

   需要動向によって価格を変動させる方式は「ダイナミックプライシング」と呼ばれ、さまざまな業界に広がっている。すでにホテルの宿泊料金や航空運賃などで導入されており、当たり前のように受け入れられている。

   最近ではスポーツ観戦や高速バスの運賃などでも導入され、IT化の進展やコロナ禍による企業の経営悪化から、この動きはさらに拡大するとみられている。

   現在は特に、鉄道でラッシュ時にアップするといった変動運賃制導入の行方が注目を集めているが、公共性の高いサービスの料金については慎重な対応も求められている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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