「朝礼」の専門誌が教える朝礼のコツ 【5月の特集 朝礼のネタ本はこれだ!】

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   【5月の特集 朝礼のネタ本はこれだ!】会社で朝礼があり、毎日何かを話さなければならない役職者にとって、ネタ探しは大変だろう。そんな人のために、5月は「朝礼のネタ本」を随時紹介していきたい。

   「朝礼」を専門とした月刊誌がある。コミニケ出版(大阪市北区)が1984年に創刊した「月刊朝礼」だ。「感謝」「思いやり」「自立」「成長」を主なテーマにした1日1話ずつ年間365日分の朝礼ネタを掲載している。

   働く人の「心のあり方」を育てる小冊子として、1500社以上で活用されている。そのエッセンスをまとめたのが、本書「月刊朝礼が本気で考えた朝礼ネタ」(サンマーク出版)だ。

「月刊朝礼が本気で考えた朝礼ネタ」(コミニケ出版「月刊朝礼」編集部著)サンマーク出版
  • 朝礼の時間が長く感じたかも……
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朝礼で身につくスピーチ力、コミュニケーション力、教養

   冒頭で朝礼の効果について、こう書いている。

「朝礼はビジネススキルを上げる絶好の機会。毎日の朝礼だけで『スピーチ力・コミュニケーション力・教養』が身につきます」

   「社員が多くて朝礼はできない」「会社に朝礼がない」というケースを含めて、以下のような取り組み方を勧めている。定番の流れはこうだ。

「その日の司会を決める → 会社独自のルーティンを行う → 司会が朝礼スピーチを行う → スピーチの感想を社員が順に発表 → 業務連絡を行う」

   ポイントは当番以外の参加者が感想を発表すること。互いの意見を聞くことで、仲間同士の理解が深まるという。10人以上の場合はグループ分けをしたり、感想を発表する人を3~5人に絞ったりしてもいい。

   「月刊朝礼」の読者の中には、家族朝礼を行っている人もいるそうだ。また、一人朝礼を行い、自分と向き合う人も。

   本書は、「すごい」と感心するネタ10選、思わず人に話したくなる雑学ネタ10選、職場のチームワークが強くなるネタ10選など、テーマごとに朝礼ネタが掲載されている。特に考え抜いた「定番ネタ」が5つ、最初に紹介されている。年代も職種も選ばない定番ネタとは何だろうか。

   その1つが、甲子園球場の整備を担当する造園会社、阪神園芸の話だ。試合中に雨が降っても、プレーが続行できるよう素早く整備を行う技術力の高さは「神業」と呼ばれ、野球ファンの多くが知るところだ。

   作業は経験と勘によるものがほとんどだが、季節ごとの気温や雨量を見極めなければならず、一人前になるには10年かかるそうだ。2017年のクライマックスシリーズでも、大雨の後に試合続行を可能にした「神業」に注目が集まった。そして、同社の甲子園施設部長、金沢健児さんの次の言葉を紹介する。

「そのとき、何をしたというより、1月からグラウンドを仕上げてきた延長線上です」

   この後、自分の考えをつけ加えて締めればいい。本書では以下のように書いている。

「グラウンドの整備は、毎年1月から始まり、何か月もかけて水加減を見ながら土を固め、水はけのよい状態に仕上げていきます。比類なき技術は、長い時間の積み重ねがあってのことなのです。いざというときに最高の結果を出すため、努力を怠らないプロの姿勢をぜひ見習いたいものです」

   野球は人気ネタだが、あえて選手ではなく縁の下の力持ち的存在を取り上げることで、野球ファンもそうでない人も興味を持ちやすくなるという。また、裏方のエピソードは、地道な努力を継続する大切さを伝えることができる、と解説している。

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