みなさん、こんにちは。馬医金満です。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」の拡大などで、船による運搬に使うコンテナは世界的に不足する状態が続いています。実際に、国土交通省が2021年4月23日に初めて開いた対策会議では、コンテナ不足が解消されるメドが立たないという厳しい見通しが示されました。
コンテナ市場に注目してみました。
船の使用料が大幅上昇、バルチック海運指数は1年間で約6倍も
世界的なコンテナ不足の理由としては、人手不足で特にアメリカの港で荷揚げ作業が滞り、昨秋あたりからコンテナの不足が深刻になっています。スポット的な要因では、2021年3月に、スエズ運河で貨物船が立ち往生して1週間ほど流通が停止したということもあります。
このような背景の下でも、物流を途切れさせることはできないため、さまざまな会社が海運での輸送を行っています。その中で、需要と供給のバランスが変動していることにより、船の使用料は大幅に上昇しています。
指標としてはバルチック海運指数(BDI)があるのですが、この1年間で6倍近くまで上昇しています。それゆえ、海運会社の業績はかなり上昇しており、海運業の株価は軒並み上昇しているわけです。
海運業は、もともとPER(Price Earnings Ratio=株価収益率)が低い業界だったので、この流れで改善する可能性もあるのかなと思っています。特に、コロナ禍で航空機による輸出入が難しくなっている背景があるので、従来よりも船舶での運送が占める割合は高くなるのではないかなと思っています。
ただし、海運は景気にかなり左右されるビジネスモデルなので、長期投資というよりも、短期投資を見据えて動くほうが、個人的にはいいのかなと思っています。
実際に日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社の2021年3月期の連結決算が5月に出揃い、グループ全体の最終利益が、日本郵船が前期の4.4倍で1392億円、商船三井が2.7倍となる900億円、川崎汽船は20.6倍の1086億円で、いずれも大幅な増益でした。
来期の予想については25~50%の減収を見込んでいます。ただ、船の種類別にみると、個人向けの輸送に使われるコンテナ船は軟調を見込んでいますが、自動車輸送船やばら積み船は引き続き好調だと考えられているので、海運各社が保有している船の種類に注目してみてもいいかなと思います。
では、また!(馬医金満)