「日本のセキュリティは大丈夫?」ワクチン接種お粗末すぎるミス 岸防衛相が朝日と毎日に八つ当たり(1)

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経営顧問に菅首相の盟友・竹中平蔵氏がいる会社

毎日新聞社(東京・竹橋)
毎日新聞社(東京・竹橋)

   いわば、紙の予約簿に好き勝手に書き込むだけの仕組みと変わらないのだ。AERAドット記者が防衛省に取材を申し込むと、「現在、担当部署に確認している」という返事が来た。

   防衛省ホームページにはシステムの運営会社として「マーソ株式会社」と記されている。同社の経営顧問には菅義偉首相の盟友、竹中平蔵氏が名を連ねている。AERAドット記者は、マーソ社にも取材を申し込んだが、「担当者が不在で対応できない」との回答だったという。

   もう一方の、毎日新聞(5月17日付)の記事「大規模接種ウェブ予約 架空の数字で登録可 券番号も年齢も」は、こう書いている。

「5月17日に始まった新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け大規模集団接種のウェブ予約で、実際の接種券に記載されていない架空の数字を入力しても予約ができることを、毎日新聞記者が複数の数字で確認した。予約の対象は65歳以上だが、65歳未満となる生年月日を入力しても予約できることも確認。架空の数字を使って予約枠を『占拠』することもできるとみられ、予約システムの信頼性が問われそうだ」

   AERAドットの記者は、一応65歳以上の生年月日を入力したのだが、毎日新聞の記者は65歳未満となる生年月日を入力して予約できることも確認したのだ。こちらも試した予約はすでにキャンセルした。

   そして、この方法で予約をしても、実際の接種券の番号と一致しないためにワクチン接種はできないとみられる。しかし、この方法で何枠も予約が取れるとなると、実際に接種を希望する人が望んだ日時に受けられない可能性もあると指摘する。毎日新聞記者の取材に対して、防衛省人事教育局の担当者は、こう答えたのだった。

「入力する人の善意に頼ったシンプルな予約システム。いたずらで予約されては本来必要な人の予約が取れず、ワクチン接種ができなくなる。絶対にやめてほしい」

   岸信夫防衛大臣も、記者会見の席でこう認めたのだった。

「予約システムで、虚偽予約を完全に防止するためには、市区町村が管理する接種券番号を含む個人情報をあらかじめ防衛省が把握し、入力される予約情報と照合する必要がある。そのようなシステムを短期間で実現するのは困難で、国民の皆さんに迅速にワクチン接種を受けていただくことを優先した」

   そのうえで、

「市区町村コードなどについては、真正な情報であることが確認できるようなシステムの改修をする予定だ」

   と述べたのだった。

(福田和郎)

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