「日本のセキュリティは大丈夫?」ワクチン接種お粗末すぎるミス 岸防衛相が朝日と毎日に八つ当たり(2)

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何事も急いで焦り、ミスを頻発する菅内閣の特徴

   ネット上にはこんな批判の声があふれている。

   東洋大学ライフデザイン学部・准教授の高野龍昭氏は、こう指摘する。

「この問題の核心は、府省間の縦割り、政府と自治体間の縦割りです。ワクチン接種に関する接種券番号のデータや住民の生年月日など基礎データを把握しているのは市区町村だけで、政府(府省)は把握していないはずです。また、それは厚生労働省を中心とした命令系統で自治体が動いていますが、大規模接種会場の運営を担う防衛省は当然にそれらのデータは持ち得ていません。だから架空情報で予約ができてしまう。もちろん予約システムの技術的な問題もあります。こうした問題は今に始まったことではなく、医療・介護分野を中心に20年ほど前から顕在化していました。そのツケが今回のワクチン接種で露呈した形と言えます」
ワクチン接種がどこまで進むか(写真はイメージ)
ワクチン接種がどこまで進むか(写真はイメージ)

   ほかにもこんな指摘の声が多い。

「システムエンジニアの立場から言わせてもらうと、正式リリース前にきちんと動作確認しなかったのが悪い。あるいは、仕様をしっかり詰められなかったのが問題。メディアに問題点を突かれたことを責めるのは筋違い。むしろ、気づかせてくれたことにお礼を言うべきところ」
「本気で悪意を持ったハッカー、たとえば海外からのサイバー攻撃によって架空情報で登録されまくったら接種業務が壊れてしまいます。こんな状態でリリースした側に問題があります」
「チケットぴあ、ローソンチケット、セブンや楽天チケットだとか、取扱量が多くてみんなが知って利用する会社が日本にいっぱいある。地域の花火大会のチケットだって扱っているよ。そういうところをなぜ使わなかったのでしょうか? インフラだって整っているのに。総理のお友達が関係している会社だからでしょうか?」
「『架空情報を使い予約した朝日新聞出版と毎日新聞に対して、悪質な行為であり、極めて遺憾だ、厳重に抗議する!』...。とても日本のセキュリティの責任者である防衛大臣のお言葉とも思えません。システムはね、こうしたことを考慮して構築するのが当たり前なのです。ザル設計したほうに責任がある。警鐘を鳴らしてくれた両社の記者に感謝をしなくては。連日日本の有事対応力の低さを証明する事案ばかり起きて、これじゃ、どこかの国が沖縄辺りまでなら獲れそうだとか、本気で動き出すのではないかと心配」

   最後にこんな心配の声を紹介したい。

「何事も焦って急いでやり、ミスを頻発する菅内閣の特徴だな。行き当たりバッタリの科学的知見のなさを、根拠なきスピード感と物量作戦と恫喝で補おうとする稚拙なやり方。オリンピックも開幕まであとわずか60数日。解決すべき課題が山積み。ずさんなまま突き進んで、大きな惨事を引き起こさないでほしい」

(福田和郎)

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