「素敵女子」になる50のルールを披露したOL 【著者インタビュー ayaさん】

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   ビジネス本で紹介した本の著者に、ご登場いただくインタビュー企画。女性向けの異色のビジネス本である「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」(自由国民社)の著者、ayaさんに、本の狙いやご自身の仕事について、聞いた。

  • 著書「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」を手にするayaさん
    著書「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」を手にするayaさん
  • 著書「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」を手にするayaさん

仕事術の小さなコツをまとめた

   ちょっとしたことで「素敵女子」になる50のルールを披露したのが、ayaさんが書いた「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」である。ayaさんは、インフラ系企業で営業職を務める現役OLで社会人5年目。お仕事術や印象アップの秘訣、日々の過ごし方などを投稿しているInstagramが支持を集め、開始からおよそ1年4か月でフォロワー数25万人を突破した。そのInstagramがきっかけで本の出版につながったという。

――「好印象を与える小さな仕事術」というコンセプトは、どんなところから思いついたのですか。

ayaさん「Instagramで自分の体験を発信したところ、質問がたくさん寄せられたんですよね。マナー本が教えてくれないような小さなこと、たとえば『こういう色のジャケットを会社に着て行ってもいいでしょうか』のような。先輩にちょこっと聞きたくなるような小さなことです。そうした多くの質問に答えてあげられるような内容で1冊書いてみようと思いました」

――どんなことを発信されたのですか。

ayaさん「もともとは仕事術ではなくて、一人暮らしのインテリアとか、購入してよかったモノとか、自分自身のライフスタイルの発信を始めました。その中で、『こうやったら褒められたよ』という仕事術に関するものを投稿した途端に反響が大きく、需要がある、そちらにシフトチェンジしてみたんです」
「そうすると、だんだん質問とかメッセージも数が増えてきました。一番多いのは『こういうことで仕事に困っています』というお悩み相談で、次に多いのがファッションやメイクに関するもの。『会社ではどのあたりまで派手でもいいでしょうか』『実際に働いていてどうですか?』というものでした」

――そうしたお悩みの答えをまとめたのが、この本ということですね。仕事術で、感心したことがいくつかあります。「二度と同じミスをしない私の秘密」という項目です。先輩や上司からの指摘事項を、すべて蓄積してチェックリストにするというものですが、ご自身の体験から生み出したものでしょうか。

ayaさん「そうなんです。新入社員の頃にたくさんの方からメモしきれないほど小さなことまでご指摘いただいたことと、『どうにかして先輩たちのいいところを盗みたいな』と思ったことから始めてみました。チェックリストにすることで、ときどき見返して使えます。ミスをしたことを書きとめるだけでなく、『どうすればよかったか』『どうしたらミスをしなかったか』など反省点まで記載すると、自分自身の成長にもつながります」

アパレルの新商品開発にもかかわる

――「TO DO リスト」の作り方も参考になると思いました。(1)どんな小さな仕事も列挙する(2)所要時間と優先順位を割り振る(3)終わったタスクも、あえて残す(4)定時1時間前には残業判断を(5)翌日の「TO DO リスト」の半分は前日にできている―― です。特に(5)は感銘を受けました。

ayaさん「当日の『TO DO リスト』を全部消し切って帰るのが理想ですが、なかなかそうはうまくいかないことが多くて......。計画的に、翌々日に回すものももちろんあります」
ayaさんは、OLの視点から通勤服やご褒美アクセサリーのプロデュースも手掛けている。
ayaさんは、OLの視点から通勤服やご褒美アクセサリーのプロデュースも手掛けている。

――なるほど。それで「TO DO リスト」の修正に使うグッズが後ろのページに載っているのですね。無印良品のマスキングテープとか、カインズのTO DO付箋とか。ayaさんは一日に「TO DOリスト」を3回書き換えるそうですね。

ayaさん「はい。朝のメールチェックをした後、お昼過ぎ、退社前の計3回書き換えます。たくさん発生する業務を抜け漏れなく遂行するためには書き換えとアップデートが必須です。その際に役に立つおすすめグッズを紹介しています」

   仕事術に関するやりとりが続いたが、仕事術に関するのは1つの章だけだ。ほかの3章はオフィスや取引先での印象アップ、美容&メンタルのコツに充てられている。

   たとえば、「大人可愛いオフィスカジュアル」として、こんなファッションを推奨している。

「フォーマルな雰囲気のネイビーや黒のシンプルなものは必須。少し慣れてきたら柄物ジャケットを買ってみて。内勤の日も多いなら、シンプルなものは2着、柄物は1着持っていれば十分」
「シャツやVネックニットは人とかぶりがち。差をつけるなら、断然ウエストマークのトップスです。細見えもするので露出の増える夏にも欠かせません」

――OLの視点から通勤服やご褒美アクセサリーのプロデュースを手掛けられると聞きましたが。

ayaさん「Instagramのフォロワーさんから、新しい商品の開発に携わらないか、というお声をいただいたのをきっかけなんです。素敵なご縁で、働く女性の目線から一緒にプロジェクトを立ち上げるが叶いました」

――実際に商品化されたものあるのでしょうか。

ayaさん「ちょうど明日(2021年5月14日)から第1弾として、ブラウス、スカート、ネックレスが発売されます。反響が大きければ、商品数やカラーバリエーションを増やしていきたいと思っています」

働く女性に指針示し、不安を和らげたい

「女性同士でも聞きにくいことを私が代弁してあげる」と話すayaさん
「女性同士でも聞きにくいことを私が代弁してあげる」と話すayaさん

――お悩み相談として始めたInstagramから、本、そしてアパレルの新商品とお仕事が広がってきたわけですが、いかがでしょうか。

ayaさん「アパレルブランドについては、まだ世に出回っていないものをゼロから創り上げるというやりがいがあります。働いていると『このブラウス、ちょっとここがこうならいいのに......』と思うことがあるんです。働いている私だからこそ、小さな要望を全部反映させたものにしたいんです。働く女性の代表の一人としてお役に立てればなと」

――この本の第4章は「美容&メンタルのコツ」になっています。男性の上司からは、最近はセクハラにとられかねないので、あまり言及できない状況があります。女性の先輩、後輩という関係では、どうなんでしょうか。

ayaさん「美容とか女性としての身なりに関することは、正解がないので難しい問題ですよね。たとえば、『マニュキュアを塗って会社に行ったら、上司に怒られるか』とか、『1~2年目のうちに髪を染めたら、女性の先輩に目をつけられるか』とか......。私もそうですし、働いている女性はきっと周りの先輩には聞きにくいし、みんな気にしていると思うんです。そこで私が『ベージュのマニュキュアなら、こんなふうに見えるから大丈夫かも』『こんな柄なら、まずは取り入れやすいよ』と一つの指針を示せればいいなと。女性同士でも聞きにくいことを代弁して、少しでも『女性が仕事を楽しみたくなる』ための役割を果たせればと思っています」

   仕事もきちんとこなし、好印象を与える女性は、職場で高いポイントを獲得することは間違いない。ayaさんは、さらにInstagramを通じて、働く女性に知恵を還元し、本の出版や新しいアパレルブランドの立ち上げを実現した。

   今回のインタビューはズームを使い行われたが、ayaさんの「素敵女子」ぶりは画面を通して伝わってきた。SNSによる発信の可能性は、働く女性にも大きく開かれていることを実感したインタビューだった。

(渡辺淳悦)

※ ayaさんの商品開発にかかわったブランドのInstagramはこちらから

「『一緒に働きたい』と言われる人の仕事術」
aya著
自由国民社
1430円(税込)

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