東京株式市場の日経平均株価が急落。米国でインフレ懸念が膨らみ、長期金利が上昇したことが波乱要因となった。一方、ドル円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策の長期化方針を堅持。引き続き、ドルに下押し圧力がかかりやすい状況が続いている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米インフレ進行に警戒
日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万8500円
2021年5月14日(金)終値 2万8084円47銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、底堅い展開か。
前週の日経平均株価は、5月11~13日の3日間で2000円を超える下げとなった。週末にかけて上げに転じたものの、上値の重い展開となった。
今週の日経平均株価は、底堅い展開か。12日に発表された米国の4月の消費者物価指数が市場予想を大幅に上回ったため、インフレ進行を警戒し、米長期金利が上昇。米国株が大幅な下げとなった。
これを受け、前週の日経平均株価は大きく値を下げたが、米国でのインフレ懸念はいったん後退していることから、今週は大きな下げはなさそうだ。ただ、米国の経済指標の結果には神経質となっているため、引き続き、米国株や米国の長期金利の動向には注意が必要だ。
東京外国為替市場 くすぶる米長期金利の上昇
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円50銭
2021年5月14日(金)終値 109円34銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが強含みとなった。米国の4月の雇用統計が市場予想を下回ったことで、週初はドル売り・円買いの動きとなり、一時、1ドル=108円台前半までドル安・円高が進んだ。
しかし、12日に発表された米国の4月の消費者物価指数が市場予想を大幅に上回ったため、インフレ進行を警戒し、米長期金利が上昇したことで、ドル買い・円売りが急速に進み、1ドル=109円台後半までドルが上昇した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。ドル高要因となった米国のインフレ懸念、米長期金利の上昇が後退したことで、リスク選好のドル買いは弱まっている。ただ、インフレ懸念、米長期金利の上昇という火種はくすぶっているため、米国の経済指標の結果には神経質となっており、注意が必要だ。
経済指標は、国内では17日に4月の工作機械受注、18日に1~3月期GDP(国内総生産)速報値、20日に4月の貿易収支、3月の機械受注、21日に4月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、17日に中国の4月の鉱工業生産と小売売上高、18日に米国の4月の住宅着工件数、19日に米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(4月27~28日開催分)、20日に米国の4月の中古住宅販売などが予定されている。
(鷲尾香一)