東京外国為替市場 くすぶる米長期金利の上昇
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円50銭
2021年5月14日(金)終値 109円34銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが強含みとなった。米国の4月の雇用統計が市場予想を下回ったことで、週初はドル売り・円買いの動きとなり、一時、1ドル=108円台前半までドル安・円高が進んだ。
しかし、12日に発表された米国の4月の消費者物価指数が市場予想を大幅に上回ったため、インフレ進行を警戒し、米長期金利が上昇したことで、ドル買い・円売りが急速に進み、1ドル=109円台後半までドルが上昇した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。ドル高要因となった米国のインフレ懸念、米長期金利の上昇が後退したことで、リスク選好のドル買いは弱まっている。ただ、インフレ懸念、米長期金利の上昇という火種はくすぶっているため、米国の経済指標の結果には神経質となっており、注意が必要だ。
経済指標は、国内では17日に4月の工作機械受注、18日に1~3月期GDP(国内総生産)速報値、20日に4月の貿易収支、3月の機械受注、21日に4月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、17日に中国の4月の鉱工業生産と小売売上高、18日に米国の4月の住宅着工件数、19日に米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(4月27~28日開催分)、20日に米国の4月の中古住宅販売などが予定されている。
(鷲尾香一)