コロナ禍で絶好調! 任天堂が早くも問われる「巣ごもり需要」後の一手

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課題は「売り切り型ビジネス」からの転換

   ただ、さすがに2022年3月期まで勢いは持続できず、スイッチの販売台数は12%減の2550万台と見込む。連結業績予想も、売上高が9%減の1兆6000億円、最終利益が29%減の3400億円を予想する。

   決算と業績予想は21年5月6日の株式取引終了後に発表されたが、翌日の任天堂の株価は一時3.1%下落。市場参加者は巣ごもり需要の反動を警戒した。世界的な半導体不足がスイッチ本体の生産に影響を及ぼす可能性もあり、業績の落ち込み幅が拡大する懸念もある。

   さらに長い目で見ると、任天堂にとって引き続き課題となるのが売り切り型ビジネスからの転換だ。ファミリーコンピュータを発売した1980年代からゲーム機本体と専用ソフトを販売するビジネスモデルを基本としており、それはスイッチまで続いている。だが、ゲーム業界の主流はスマートフォンなどの汎用ハードで楽しむサブスクリプションサービスに移りつつあり、すでにグーグルなどの米巨大ITが参入している。

   任天堂もスイッチ利用者向けに、さまざまな付加機能を利用したり、懐かしいゲームをプレーしたりできるサブスクサービスを始めている。「あつ森」でオンラインプレーを楽しむには、このサービスに加入する必要があり、作品のヒットに伴って登録も増えているという。

   それでもゲーム機本体を前提にしたビジネスモデルであることには変わりない。米巨大ITとは違った任天堂独自の収益構造を見いだせるか。「スイッチ後」をにらんだ戦略が試されている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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