先日、IOC(国際オリンピック委員会)が開いたオンライン会見に、記者を名乗った男性が「NO OLYMPICS in TOKYO」と書かれた横断幕を掲げ、「五輪はいらない!」と叫び続けるという「事件」が発生しました。
IOCのマーク・アダムス広報部長があわてて男性の映像を打ち切ったものの、すでに後の祭り。世界中の記者がリアルタイムで「事件を目撃」したうえに、録画映像が世界中に拡散してしまいました。
IOCが必死で「なかったこと」として隠したい乱入事件。じつは、今夏の東京オリンピック・パラリンピックの行方を左右する潮目になるかもしれません......。
「五輪はもういらない!」乱入した「ヤフー記者」?
世界中で新型コロナウイルスの感染が収まらないなか、東京五輪・パラリンピックの開催についてIOCがどういった見解を述べるのか......。この日の会見には大きな注目が集まっていました。
会見に出席したIOCのマーク・アダムス広報部長が「超強気」の発言を繰り返すなか、会見の最後に質問の機会を得た男性が、質問の代わりに「NO OLYMPICS in TOKYO 2020」と書かれた黒い布を掲げながら、「オリンピックはいらない」と声を上げ続け、会場が騒然となりました。
Anti-Olympics protester crashes IOC news conference
(オリンピック反対活動家が、IOCの記者会見に乱入した:米国USA TODAY)
海外メディアの報道によると、リモートで記者会見に参加していた「乱入者」は、「ヤフー記者のデイビッド・オブライエン」という名で会見へのアクセス権を得ていたそうです。
質問の機会を得たとたん、「No Olympics in Tokyo 2020」と書かれた布を頭上に大きく掲げて、次のように叫びました。
No Olympics anywhere!
(オリンピックはいらない!)
We don't want the Olympics anywhere!
(我々はオリンピックなんて望んでいない!)
No Olympics in L.A no Olympics in Tokyo!
(ロサンゼルスにも東京にもオリンピックはいらない!)
じつはこの男性は記者ではなく、ロサンゼルスオリンピックに反対する活動家だと判明しました、男性が叫んだことばからもわかるように、東京五輪の開催だけに反対しているわけではありません。
五輪反対の活動家がどうやって会見に乱入できたかは謎ですが、オンライン会見はリアルな記者会見と比べてセキュリティが甘いのでしょう。コロナ禍での五輪開催に強行にこだわるIOCが、皮肉にもコロナ禍のとばっちりを受けたとは......。ちょっとだけ溜飲が下がります。