高まる地方志向、進む東京離れ
コロナ禍での就活オンライン化の促進は、別の面でも学生たちの関心を地元就職へ向けさせているようだ。調査で「地元企業への就職活動で障害だと感じていること」を聞いたところ、「交通費」と回答した割合が13.3%と前年(26.0%)からほぼ半減した。「コロナ禍で県をまたぐ移動の縮小、就職活動のオンライン化が進み、地元との往復にかかる交通費が大幅に減っていることが要因とみられる」と、マイナビは分析している。
また調査では、コロナ禍をきっかけにテレワークが注目されるようになり、ポストコロナの働き方の一つとして定着するとみられているが、働く場所が自由になった場合に、勤務先・居住地域の理想として当てはまるものを聞いた。
勤務先の理想で最も多かったのは「地方の企業に勤めたい」で、前年比1.0ポイント増の48.2%。居住地域の理想で最も多いのは「地方に住みたい」で同2.2ポイント増の57.0%だった。
一方で、「東京の企業に勤めたい」は同0.5ポイント減の19.7%、「東京に住みたい」は同2.4ポイント減の12.7%と、東京の勤務・居住を希望する割合は減少している。
マイナビは、
「コロナ禍でテレワークが進んだり、東京から地方へ本社を移す企業があったりと、働き方を取り巻く環境は変化しており、学生の就職意識にも影響を与えているようだ」
とみている。
「地元(Uターン含む)就職以外に、Iターン就職のように地元以外の自然が豊かな地方で働いてみたいと思うか」の問いには、前年比3.2ポイント増の43.2%が「働いてみたい」という意向を示した。
なお、調査は2022年3月卒業見込みの大学3年生と大学院1年生を対象に、21年3月18日から4月6日に実施。5910人から有効回答を得た。