絶好調の米国株 どう読む! まだまだ上昇、それとも下落か?【投資の基本を知る その5】(小田切尚登)

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米国株は魅力的な投資対象だけど......

   そこで今後の投資戦略であるが、私としては今後1、2年の期間では、まだまだ米国株の株価は上がっていく可能性が高いというふうに考えている。コロナ禍後の復旧が本格化していく中で、産業は復興していき、人々は前向きな気持ちを持ち続けられるであろう。また、キャピタルゲイン課税が強化されたからといって、資金が大きく逃避する可能性は低いとみている。

   しかし、株価が大きく上がったということは、下落する可能性がその分増えたということでもある。今後、何らかの事柄が引き金になって大きく株価が下がっていく可能性を今まで以上に考えないとならない。

   2022年くらいまでに、そのような事態が起きる可能性は低いと思うが、コロナ禍の例を考えても、これから何が起きるかは誰にも予測ができない。要注意のレベルが上がったということだ。

   結論としては、米国企業の株式は引き続き魅力的な投資対象であると考える。米国株ほど安定して上昇が見込まれる投資対象は他にほとんどないと思う。しかし、下落のリスクは増大しているので、株価が大きく下がっても大丈夫なように、米国株以外の資産を上手にまぜて、リスクを分散していくことが大事になる。

   昨年末は「アメリカの株を買いなさい!」と言い切ったが、今はそこまでは断定はできず「アメリカの株はまだまだ行ける」というくらいの感じである。今後は、これまで以上に米国政府の動向を注意深く見ていく必要がありそうだ。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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