暴走するバッハ会長よ、五輪選手の心の叫びを聞け! 錦織圭、大坂なおみ、セリーナ、モーガン...(2)

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有森裕子さん「組織の意固地さが池江さんを苦しめる」

   こうした五輪選手の優先接種について、「アスリート自身を苦しめる無責任なやり方」と怒りをぶつけるのが、競泳のシドニー五輪銅メダリストでスポーツコメンテーターの田中雅美さん(42)だ。

   スポーツニッポン(5月10日付)「田中雅美さん、五輪選手のワクチン優先接種に『この一報が入った時、無責任の気が』『選手に選択させる...』」が、こう糾弾している。

「田中雅美さんが5月10日、TBS『ひるおび!』に出演。IOCが東京五輪参加選手にワクチンを無償で提供すると発表したことに言及した。田中さんは『この一報が入った時に正直な話、無責任な気がしました。結局、提供しますが(接種の)判断は選手に任せますと言ったら、どういう形が正解なのか。医療従事者、高齢者で待っている方もいる中で、自分が打ちますと言ったらその方たちに申し訳ない、しかし打たないと言ったら危険が及ぶのかもしれない。どっちが正解なのか、わからないことを選手に選択させる...』と説明。そのうえで『やるのであれば、そういうことが安全になるのですよというメッセージをもっと前面に言ったら選手も選びやすいと思う』と自身の思いを話した」
「組織が意固地だから選手が苦労する」という有森裕子さん(写真は公式サイトより)
「組織が意固地だから選手が苦労する」という有森裕子さん(写真は公式サイトより)

   五輪代表選手に「つらい選択」が課せられるといえば、白血病と闘いながら代表入りを決めた競泳女子の池江璃花子選手(20)に、SNSを通じて代表の辞退や五輪への反対を求めるメッセージが寄せられていることが問題になっている。元五輪代表選手たちが、池江璃花子選手に重荷を背負わせている政府や組織委員会を痛烈に批判している。

池江璃花子さんのツイッター
池江璃花子さんのツイッター

   日刊スポーツ(5月9日付)「池江璃花子の〈叫び〉に為末大さんが、有森裕子さんが...」が、こう伝える。

「池江璃花子が7日に、SNSを通じて代表の辞退や五輪への反対を求めるメッセージが寄せられていることをツイッターで明かした。一夜明け、8日までにこの発信を巡る一連の動きに、次のように多くの反応が集まった。
◆ 元陸上選手で五輪に3度出場した為末大さん

「アスリートやその他の表現者の方も含め様々な方々が自分の夢に向かって一生懸命頑張っていることは何一つ咎められるようなことでもなく素晴らしいことで、それで勇気をもらう人もたくさんいると思います。ただその舞台を行うかどうかはまた別の話で冷静に判断することになりますが、それは別の話です」
◆ 陸上女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの有森裕子さん
「組織が『意固地』とも感じる発信をし続けている現状が、このような理不尽な矛先の向けられ方を生んでいます!」

   そして、池江璃花子選手を利用しようとした西村康稔・経済再生担当大臣に対して、アルピニストの野口健さん(47)が怒りのツイートを炸裂させたのだった。

   スポーツ報知(5月11日)「野口健さん、西村大臣の『池江選手見たい』発言に苦言『あまりに配慮に欠けている』」が、こう伝える。

「西村氏が5月9日放送のNHK『日曜討論』に出演。開催が危ぶまれている東京五輪について『不安の声もあると思うが、一方で池江璃花子選手を見たいと思っている方もいると思う』と発言した記事を貼り付けた野口氏。『池江さんに対し、五輪出場への辞退を呼びかけるという卑劣極まりない投稿が問題視されている中で、この西村大臣の発言はあまりに配慮に欠けている。この発言がアスリートへの誹謗中傷をさらに煽ってしまうかもしれない。五輪開催に対する不安を解決するのはあなた方の役割である』と訴えていた」

(福田和郎)

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