「週刊エコノミスト」は固定資産税を特集
「週刊エコノミスト」(2021年5月18日号)の特集は、「固定資産税に気を付けろ!」。3年に1度の評価替えの年なので、課税ミスのチェックを呼びかけている。課税明細書を理解するチェックポイント、固定資産税にもコロナ対策など、たくさん固定資産税を負担している人には有用な記事が多い。
課税明細書を理解するチェックポイントは3つある。1つは評価額と課税標準だ。2つ目は住宅用地の特例。200平方メートルまでの小規模住宅用地の課税標準は評価額の6分の1に、200平方メートル超の一般住宅用地は3分の1へと大幅に軽減されている。市町村による固定資産税の課税誤りでは、住宅用地の特例措置を適用し忘れているケースが多いそうだ。
3つ目は負担調整措置。バブル期の地下上昇に評価額の上昇が追いつかなかったため、国は1994年度の評価替えで地価公示価格の7割まで固定資産税評価額を引き上げることにした。しかし、それでは急激に固定資産税額が増えてしまう。そのため負担調整措置が導入された。
2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、負担水準が100%未満の住宅用地などについては、前年度の課税標準額に据え置く措置が取られた。この措置が今年度限りで打ち切られた場合、来年度以降は税額が増える可能性があるという。
誤って固定資産税を多く課税された場合、地方税法の時効は5年でも自治体によっては20年ということがあることが紹介されている。
ふだんあまり関心を持つことのない固定資産税にもさまざまな特例や措置があるようだ。知識を蓄えて自己防衛に努めたいものだ。(渡辺淳悦)