「週刊東洋経済」就活生に人気のコンサル業界にスポット
「週刊東洋経済」(2021年5月15日号)の第1特集は「コンサル全解明 人材戦略から儲けのからくりまで」。今、大学生の人気の就職先として注目されているコンサルティング業界にスポットを当てている。
2022年卒の大学別就職注目企業ランキングで、東京大学では1位に野村総合研究所、2位にアクセンチュア、8位にPwCコンサルティングが入るなど、コンサル会社が就活生の人気を集めている。これまで上位だった商社、銀行などにコンサル会社が取って代わる勢いだ。だが、コンサル会社の仕事は見えづらく、実態はベールに包まれている。特集では、近年のコンサル業界の動向やビジネスモデルを詳しく解説している。
今、コンサル業界はIT人材を集めるため、異業種からのスカウトが過熱しているという。その背景にはデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高まりがある。単なるITの知識と技能だけではダメなので、企業はこぞってコンサル会社への依存を強めている。
2020年はコロナ禍でプロジェクトが止まり、コンサルティング市場はやや縮小したが、7月以降は急速に回復。サプライチェーンの見直しやリモートワークへの対応で、クライアントのDXへのニーズは増えている。1兆円規模に市場は伸びそうだ。
コンサル業界は、戦略から実行まで一気通貫モデルを掲げるアクセンチュアを軸に、バトルが過熱しているという。ひと口にコンサル会社と言っても、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの戦略系、IT系、会計系などがあり、「仁義なき陣取り合戦」が繰り広げられている。
コンサル業界は企業の経営戦略立案を担う「上流」と、それを実行するためのシステム構築などを担う「下流」に分かれ、近年はその両方を行う「総合系」のアクセンチュアが台風の目になっているというのだ。
「日本の大企業の3~4割は顧客になった」とアクセンチュア日本法人の江川昌史社長は語り、その中にはファーストリテイリング、ソニーグループ、楽天グループなどが並び、そうした大口顧客には100人を超える規模のアクセンチュア社員が常駐している。
社員数も1万6000人と過去6年間で3倍に膨れ上がった。真っ向からぶつかるのは、4大監査法人グループが抱え「ビッグ4」と呼ばれるコンサル会社だ。
引き抜き合戦やコンサル報酬のからくり、給料は高いのに辞める人が続出する「出世」と「給料」の実態など、コンサル会社への入社を志望する就活生にとって必読の内容だ。
第2特集は「サイバーセキュリティーの大問題」。サイバー攻撃されたときに企業が陥りやすい失敗、自動運転システムのためサイバーセキュリティー対策で自動車業界に突き付けられた2つのハードルなどの記事が興味深い。