「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一が語った名言の数々【朝礼のネタ本はこれだ!】

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小さな仕事も大事に

   新人や若い人が多い職場では、「どうして自分がこんなつまらない仕事をしなければならないのか」と不満を持つ人もいるだろう。渋沢はこう戒めている。

「こうして与えられた仕事に不平を鳴らして、口に出してしまうのはもちろんダメだが、『つまらない仕事だ』と軽蔑して、力を入れないのもまたダメだ。およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部なのだ。これが満足にできないと、ついに全体のケジメがつかなくなってしまう。時計の小さな針や、小さい歯車が怠けて働かなかったら、大きな針も止まらなければならない。同じように、何百万円の銀行でも、厘や銭単位の計算が違うと、その日の帳尻がつかなくなってしまう」

   本書は朝礼のネタだけに使うには惜しい本である。「論語」といえば、社会秩序を重んじるものというイメージが強いが、ところどころに渋沢の反骨精神も顔をのぞかせている。「第8章 実業と士業」では、江戸時代に経済活動は社会正義のための道徳と無関係な人が携わるとされたため、まるで「すべての商業は罪悪だ」といわれた大昔と同じような状態が続いてしまったのだ、と批判。長く続くうちに、形式だけが繁雑になり、「この結果、武士の精神が廃れてしまい、商人も卑屈になって、うそが横行する世の中になってしまったのだ」と断罪している。

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