「まさかこの年まで自分が結婚できないとは思わなった」
「婚活を始めれば、すぐにでも結婚できると思っていた」
「当初の予定より婚活が長くなって疲れてきた」
「私って、本当に結婚運がないんです...」
彼女たちは口々に「出会いがない」、「いい人がいない」と言いますが、著者の言い分はその逆です。「いいえ、あなたは出会いすぎているんです」。
「婚活は『がんばらないほうが』うまくいく」(三島光世著)秀和システム
恋愛と結婚で異なる決定的な要素
婚活している方の年齢は、20代後半から30代後半がメインゾーンです。この年齢になると自分の価値観が固まっている人が多いでしょう。しかし、結婚を意識しないおつき合いというのは、お互いに気持ちのいい関係でしかないと、著者の三島光世さんは言います。
「もちろん『交際していても、それなりにつらい思いしているわ!』という人もいるでしょう。でも、単なる交際というのは、たまにデートする、たまに旅行をするなど、一緒に生活することを描いていない、じつに都合のいいつき合いです。相手のイヤなところには目を向けず、いいところだけと向き合っている関係ですみます」
三島さんは、こう続けます。
「しかし、婚活となれば、最初から結婚を意識しての出会いになります。ですから、この『気持ちいい』という感覚を一気に飛び越さなければいけません。結婚を意識しない限り、人は、相手と深く向き合わなくてもいいのです。単に交際しているだけの関係だったら、少しでも『違う』と思えば、距離を置くことなんていくらでもできます。結婚さえ考えなければ、誰とも深く関わらないということだってできるのです」
とはいえ、相手と向かい合う作業は面倒です。苦行に近いので疲れてしまうという人もいます。それなりの年齢になり、自分の価値観が固まったあとは一層大変になります。三島さんは「疲弊することがわかっているのなら、婚活のやり方を変えなさい」と言います。
結婚は「ご縁」を見つけられるかどうか
「婚活」という言葉ができたのは、2008年だといわれています。それなりに浸透してきた言葉です。婚活ブームなどもあり、いまではマッチングアプリの登場で、気軽に婚活ができるようになりました。三島さんは、
「でも、その分、出会いばかりを優先してしまい、結局、婚活疲れを起こしてしまうことも問題になってきました。出会いをつくる行動は間違いではありません。その先の考え方、思考の問題なのです。そこをもっとシンプルにしてみてはどうでしょうか。つまり『婚活はがんばりすぎないほうが成功する!』ということです」
と言います。
「もちろん、少し綺麗にすることを心がけて清潔感を保つ、気をつかう努力をする、そのあたりは当たり前なことで、マナーと呼べるレベルの話です。見直すべきは、視点や思考を変えていくこと。深く考えすぎたりがんばりすぎたりせずに、シンプルに受け入れてみるということです。よく結婚は『ご縁』だと言われますね。10代のころからいろいろな恋愛をしてきても、結局ご縁を見つけられず、結婚にいたらない人だってたくさんいます」(三島さん)
コロナ禍で、婚活のあり方が変化してきているという話を聞きます。がんばりすぎず、無理をしすぎず、シンプルに「ご縁」を見つける方法とは? この機会に情報をアップデートしてみませんか。(尾藤克之)